ルーシーside
私はルーシー。
ギルドで働いていた。
この前の作戦に失敗しちゃったから私はもういらなくなったみたいです。
だから今はゆく当てもなく1人で横浜の街を歩いている。
少し、この前の虎の子に会いたい気がする。
あの子に会ってから私は変になったみたい。
何故か気づけばあの子のことを考えてる。
会いたいなぁって思ったり。
もう一度頭を撫でられたいなぁとか。
少し広い公園のベンチに腰を下ろした。
生まれつきのこのくせっ毛をいじりながら、辺りを見渡す。
昼の公園だからたくさん子供が遊んでいる。
私は公園で遊んだことは無いし、友達がいた覚えもない。
ずっと1人.......。
1番聞きたかった声を聴けて無意識に心音がはやくなる。
名前覚えるの苦手なんだーと言いながら笑っている彼を見てまた私の心臓は高鳴る
私、可愛くないなぁ。
聞き方もそうだし。顔もそう。
もっと可愛い子になりたかった
初めて聞いた彼の名前。
嬉しくて仕方がない。
彼は私から視線を外し下を向いた。
私はそんな彼の頬に手を添えた。
また、彼の笑顔に胸がなった。
私、彼が好きなのね
そう言うと彼は微笑んだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。