乱歩さん以外の大人は皆お酒を飲んでいる。
正直のところ、国木田さんと太宰さんがすごく大変なことになっています。社長は眠そうだけどいつも通りな感じです。
賢治くんはコクンコクンと頭が揺れている。
本当に限界が近そうだ。
うわぁ…。この人お酒飲むと人格変わる人だ。
面倒くさいタイプの人だ。そんなこと言ったら太宰さん続けだしちゃうよ。
え?!乱歩さん寝ちゃってるし!!僕も寝たいのに!!早くこのゲーム終わらせたいのに!
皆の、動きがとても鈍い
何をするにも頭が何回も揺れる。
みんなが引き終わり、太宰さんのせーのの声で多分最後になるであろうお決まりのあの言葉を口に出す。
王様だーれだ…
なんともやる気のない掛け声だ。
そして手を挙げたのは
何故だろう。
嫌な。嫌な予感がする。
でたぁ。大学生みたいなノリ。
3番と4番の人可哀想だなぁ……………………。
.............。
...................。
太宰さんは楽しそうに棒に書いてある番号を見せる。
そこには3番の数字が.......
嘘だ....。嘘だと言ってくれ。
ぼ、僕。ち、ちゅうしたこと.......ない.....のに。
どんどんと近づく顔.......。
僕の記憶はここで終わった。
次の日、太宰さんはとても悲しそうにこちらにやってきた。
よかった.......。
どうやら僕の初めてはしっかりと守られたようです。
めでたしめでたし。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。