さっきは恥ずかしかった。
とても、もうとても、恥ずかしかったです。
正直終わって欲しいけれど終わるはずもなく、何故か社長と乱歩さん以外の皆さんの目が僕に向けてギラギラと光っています…
もう、手馴れた手つきで皆が棒を引く。
僕は……4…。
どうか選ばれないでください。
王様だーれだ!
恐る恐る手を上げ、モジモジする谷崎くん。
その僕の言葉が気に触ったのか太宰さんは少しすね出した。
乱歩さんは案外楽しいそうで飴を咥えながら次の言葉を待っている。
まるで3歳の子供のように…。
谷崎くんがとても申し訳なさそうに手を上げる。
顔も少し赤らんでいる。
嬉しそうに深々と頭を下げ、上がってきた顔には期待の2文字が顔に書いてあるみたいだった。
この場にいる全員が思った。
これで終わりだと。
太宰さんも、皆から棒の回収を始めていた。
けど…
国木田さんは、ペラペラとずっと1人で話している。
太宰さんは隣で心中は〜と口ずさみ始めた。
乱歩さんは、社長にいつまで続くの?と聞いてとても不満そうにしている。
賢治くんはニコニコと国木田さんの話をずっと聞いている。
谷崎くんはと言うと…
とても、照れていた
太宰さんは、とても幸せそうな顔をしてまた心中の歌を歌い出した。
そこから約10分、国木田さんは1人で話していました。
眠れない夜はまだ続きますよ?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。