どうして天井があるんだ?
確か、僕は飢えて死んでしまう所だったはず
なのに。
なのに。僕は部屋にある布団の中で寝ていたのだ。
状況を理解できないままとりあえずこの場を離れようと体を起こした
その瞬間に僕の前に突如人が現れた
だ、誰だ???!
そう言い太宰という人はにこりと笑い僕に近づいてくる
トンっ
しまった!もう、下がれない
目の前の人は僕の手をとり壁に押し当てた。
すごい力で
また、にこりと笑う。
そして今度は優しく手を握られる
今まで握られていた手は解かれ膝を地面につけた。
僕はプロポーズでもされているのか
いや、心中をしようと誘われている
一緒に死んでしまおうか。
僕は生きていても意味が無いから...。
けど。
そういい駆け出した
本当はあの人はいい人なのかもしれない。僕なんかを、助けてくれたのだから。
だから僕と一緒にいてはダメなんだ。
もうあいつに狙われるのは僕だけでいい
死ぬのは誰の目にも止まらぬところだな
かたく決心をした
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!