僕達には考えがあった。
それは.......
これで僕と谷崎くんの姿は奴らには見えない。
今ならやれる!!!
大きく腕を振りかぶりアンに向かって拳を振り下ろす。
拳はアンに命中し持っていた鍵を落とす。
この鍵であの扉を!!!
そう思い扉に向かって走る。
鍵穴に鍵を通そうとした瞬間
鍵からたくさんの小さな化け物が出てきていた。
鍵から生えた化け物は僕の腕に噛み付こうとする。
慌てて鍵を投げ捨てアンとの戦いに思考を向ける
どうすれば.......みんなが助かる
少女はまた、不気味に笑う。
その瞬間僕の横をビュンッととてつもないスピードで過ぎ去ったアン。
僕の向こうにいるのは
アンは谷崎くんの胴を掴み扉へと向かっていく
さっきまで閉まっていたはずの扉が開き、中からたくさんの触手が出てきた。
その触手は谷崎くんを掴み中へ中へと連れていく。
バタンー
無情にも扉の閉まる音が部屋に鳴り響く
谷崎くんが捕えられた
僕一人で、こんな化け物を捕まえる?
僕を見つめるアンが先程までと違う物に見えてきた。
大きく凶暴に...。
勝てっこない。
そう思った。
僕はたくさんの人が出ていった扉に向かって走り出した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。