今日は初出勤の日。
太宰さんや国木田さん以外の人と会うのは初めてだ。
緊張する...。けど1番の不安は...。
この人は僕の内心を全て見透かしているのかな。
多分虎になってしまうことを太宰さんは知っている。それが何故なのかは分からないけど。
でも、多分知っている。
僕の髪の毛を摘んでは離し摘んでは離しを繰り返す太宰さん。
その度にほぉ。意外と柔らかいなんて。
何を言っているんだ。この人は。
太宰さんはニコニコと笑う
や、やはり知っていたか。
でも、そうだとしたら何故?
それを連想させるようなことは口にしていないはずだし...。
だめだ!この僕の足りない頭じゃ分からない
その心の内も見透かしているのか、
そう言われ僕はただただ着いていくしか出来ない。
途中手をつなごうと提案されたけどキッパリと断っておいた。
そんな太宰さんを僕は無視した
この人の扱い方を分かってきたかもしれない。
そこから五分もしないうちに探偵社についた。
普通のビルだけど...。本当にここ?
もっと古ぼけた感じのところだと思ってた
扉を開け、緊張感を持って中に入る
そういえば僕頭良くないけど探偵なんてできるかな
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。