第2話

またも地雷を引き当てる
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2018/04/30 10:29
そらる
いやだ!行きたくない!!
まふまふ
そんな子供みたいなこと言わないでくださいよ!
そらる
やだ!絶対痛い!
まふまふ
注射うちに行くんじゃないんですからぁ!
自室に駆け込んだ俺は、さっきから開けられそうなドアを内側からおさえていた。
まふまふ
なんでそんなに嫌がるんですか!
そらる
病院嫌だ!
まふまふ
なんでですか!?子供欲しいでしょ!
そらる
でも病院は別だ!
まふまふ
でも行かないとわからな──
そらる
行かなくてもいいだろっ!!
まふまふ
い………ん?
そらる
あっ……
今自分の言ったことを頭でリピートする。まふ相手に、なんて地雷を引いてしまったんだ……。

後悔既に遅し。俺はまふが喋らない隙に、言い訳をぶちまけた。
そらる
いや、だからさ?その、えっと…
いや、ぶちまけようとした。でもパニクった頭から、いい感じの言い訳なんて出てこない。

するとまふが、普通の口調で言ってきた。
まふまふ
そらるさん、誘ってます?
そらる
さそっ!?ん、ンなわけあるか!!
まふまふ
いやいや!今の完全に誘ってるでしょ!
そらる
ち、ちがっ…
まふまふ
僕には遠まわしに「犯してください」って聞こえたんですけど?「とりあえずヤれば妊娠するかもしれないじゃん」的な?「妊娠可能な体だったらラッキー」的な?
そらる
やめろぉっ!お、俺は!そんなこと、これっぽっちも──
まふまふ
言ってますよ!僕相手に言ったらどうなるか、わかってるでしょ!?
そらる
そ、そうだけどっ…うわっ!
力が緩んでしまった隙をついたのか、まふがドアを思いっきり開けて、うるさい口を塞ぐようにキスをしてきた。
そらる
ちょっ、待っ──
まふまふ
無理ですね
そらる
…お前さぁ、顔に出すぎだろ
ニヤニヤしてて、それも息は少し荒い。多少顔も赤くなってるような…。

カーテンも閉まって電気の付いていない部屋で認識はしづらいが、たしかにまふはやばいことになってる。
まふまふ
どう見えてますか?
そらる
っ……言わせる?
まふまふ
言ってくださいよ。これからバレないように頑張るためにも
そらる
それは嫌だけど……すげー、俺のこと抱きたいって時の顔してる
まふまふ
ふふっ、さすがそらるさん。大当たりですよ
そらる
んっ…
俺はまふ深い口付けから、逃げることはできなかった。

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