梅雨の季節。
ジメジメして、億劫になり始めるそんな季節。
そんな時期に気をつけないといけないこと、それはズバリ……
そう、食中毒である。
ビシッと春千夜くんの手刀が頭に当たる。
なぜこうなっているのかわかりやすいように説明しよう。
昨日私はお昼ご飯をマイキーくんに言われて自作、そしてそれをマイキーくんに渡した…のだが、
そのお弁当の保冷剤を入れ忘れてしまっていたのだ。
そして案の定次の日、マイキーくんは見事お腹を壊したらしい。
いや、だってね?無敵のマイキーをお弁当1つで倒してしまったんですよ、私。
誰にもやられなかった人がいとも簡単に倒れちゃうとさ、この世界線のマイキーくんの死因は食中毒なのかと疑うのも無理はないと思いませんか??
なぁんてエマちゃんに言えるはずもなくごめんね…と謝る。
エマちゃん、それ小説とかだったら死亡フラグになるので言わない方がいいです…ほんと、
エマちゃんがニコニコしながら春千夜くんと喋っている。
そんな光景に一応幼なじみなんだよな…と目を細めていると突然身体が宙に浮かんだ。
宙に浮いた私の体はそのまま春千夜くんの肩へと移動する。
私が慌てていると春千夜くんはまるで私の機嫌を伺うようにちらっと私を見てくる。
言い終わるより前にスポンと春千夜くんの腕に私の身体がおさまる。
……え、
え、ちょっと待って?
このまま街を歩くつもりですか??
家までこのままですか!?!?
チラっと春千夜くんの方を見ると何、とでも言いたげに私に視線を向けている。
あ、その……
その瞬間春千夜くんが妖艶に笑った。
あまりにも普段とは違う春千夜くんの声色に私の顔が赤くなったのは言うまでもない。
side春千夜
『マイキーくん死んじゃいます!?ストーリー的には自殺以外にマイキーくんは死なないんですけれども黄色ブドウ球菌はやばいですわよ!?!?』
おかしい、おかしくない…と言うとここ最近の話ではないかもしれない。
どこか俺たちのことを別視点から見ているような…そんな違和感をずっと感じていたが今日、やっと確信した。
1年ほど前だろうか、
確実に前までのあなたの下の名前とは別人のようになったあなたの下の名前を俺は、
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ずっと、ずっと…
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“あの宣言をした日から”俺は、
あなたの下の名前が大好きだから。
※春千夜くんの宣言は第33話参照
ほんの少しお話を進めました♡夢主ちゃんがこの世界に入り込んだ理由…実はちゃーんとあるので(物語の至る所に伏線あり)気になる方は読み返してみてください👀