あなたside
ハァッ……
皆、どこに連れていかれたの?
今頃、皆はズタボロに殺られてるかもしれない…
なんで 私は役立たずなの?
なんで 私は大事な時に力を発揮出来ないの?
なんで 私は馬鹿なの?
なんで 私は…
あーもうっ!
こんな自分、大っ嫌い…!!!
…もう、2分くらい皆を探してる…
皆、どこに連れていかれたの?
自分の方向音痴にも、ホント嫌気がさすよ…
っ!!!誰かが、叫んでる…!
私は急いで声が聞こえる方へ行った。
そこにいたのは…
ズタズタの皆と、暴力団だった…
…上杉君の左腕…多分折れ、てる…
ヤダヤダヤダ…上杉君、もう戦わないでよ…
上杉が壊れちゃうよっ!!!
黒木君が叫ぶと同時に、今度は美門君が
殴られた。
美門君に関しては…もう何も言えなかった。
美門君の顔は…原形が分からない程
腫れていたから。
美門君は美貌の持ち主だから…
暴力団の拳も、顔に集中するんだね…
若武君はみぞおちを、
七鬼君は 足を2人から同時に蹴られ、
黒木君は 耳を かなり切られた。
そして…私はもう、我慢の限界だった。
大事な、大切な、大好きな…メンバーを
傷つけた馬鹿野郎集団…許せない…
馬鹿野郎集団さん。私はね、
怒りを疾うに超えてるんです。
だから、ごめんなさい!
私はそう言いながら、暴力団の中の1人を
投げ飛ばした。
ブクシッ バタッ…
あーあ。皆、アングリ口開けてるよ…。
びっくりしすぎ。
今にも殴りかかってくるよ?あのゴリラたちがね。
はぁ…( ´Д`)こんな時まで優しいんだから。
ブクシッ …バタ… ブクシッ …バタ…
…男の子に守られる女の子って、かわいいよね。
いかにも、『女の子』って感じがして。
…出来れば私も、そういう女の子で在りたかった。
好きな人の前では特に、ね。
…でもさ。男の子が、
大好きな女の子を守りたいって思うのと同じで、
私も、大好きな人を守りたい。
だから…
ふぅ…
私が参戦してから、猛るゴリラを
宥めるまでに、そう時間は かからなかった。
きっと、人数が増えたのと、皆が
やる気(殺る気)、本気を取り戻したから、だね!
あ… 殴られたからね。
そりゃ、怪我するけども…
皆の方が、怪我ひどいよ…?
心配、ありがと(*´∀`*)
…でもね?人の事心配してる場合じゃないよ…?
彩ちゃんが今、美門君の顔とか、
黒木君の耳とか見たら
きっと倒れちゃうよ。心配と恐怖でね。
…上杉君。
私は大丈夫だから。それに…
上杉side
ああ、思い出した。
人のために頑張る。力を尽くす。
そんなヤツだから
___好きになったんだった___
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!