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第1話

双子
お母さん
お母さん
陽菜はなんでも上手にできてえらいわね
お母さんは嬉しそうに陽菜の頭を撫でた。
雪菜
雪菜
お母さん…私も…
お母さん
お母さん
雪菜もえらいわね
お母さんはいつも優しくそういうが撫でてもらったことは一度もない……

***


陽菜と私は双子だ。
顔も体型もそっくりで一回陽菜と間違えてお母さんが撫でてくれたことがあったっけ…

なのに陽菜の方がなんだってできる。

成績も陽菜のほうがいい。定期テストの順位はいつも陽菜が1位、私が2位だ。
小さい頃から習っていた水泳も大会で1位なのは陽菜。
私の方が練習時間も長いし、陽菜なんて遊びまわってるのに…

陽菜がいる限り、私はずっと2番だ。

二度と陽菜と間違われないように私は髪を染めた。

***

陽菜
陽菜
雪菜ごめんね
いつも私ばっかり…
陽菜が申し訳なさそうにこちらを見つめている

(思ってないくせに)

陽菜はいつもそうだ。申し訳なさそうに謝る自分のことをえらいとでも思っているんだろう。

陽菜のことは無視して自分の部屋に行く。
勉強もスポーツも陽菜に勝てないとわかってから全部諦めた。
努力でなんとかなるって言ってる人もいるけど
いくら努力しても才能には勝てないんだ…

そんな私にも好きな人ができた。
隣のクラスの風間くんだ。

風間くんは男女どちらからも人気があってまさに学年のアイドルって感じ
だから私の恋が叶うはずもない
でも想うくらいはいいだろうとこの気持ちを毎日、日記に書くことにした。

"今日は風間くんと廊下で少し話せた。嬉しかったなぁ"

っとよし明日も早いし今日は寝よう。

バンッ💥

陽菜
陽菜
ねーねー
シャーペン貸して〜無くしちゃった…
陽菜が勢いよくドアを開けて入ってきた。
ノックくらいしてよ…
とっさに日記を閉じて隠す。
それにシャーペンなくすの何本目?
私だって陽菜にあげたせいであと2本しかないのに…

雪菜
雪菜
私だって全然ないから無理だよ
陽菜
陽菜
えーけち!
ってかなんか隠したよね?
見せてよ〜
げ…陽菜にばれた。
こんなの見られたら絶対に陽菜は風間くんを彼氏にして自慢してくるもん
見せられない
雪菜
雪菜
嫌だよ
陽菜
陽菜
なんで!いいじゃん
雪菜
雪菜
あっ

ノートを陽菜に取られた。
最悪…
おそるおそる陽菜の顔を見ると案の定にやにやしていた。
陽菜
陽菜
へー雪菜って風間くんのこと好きなんだ〜
悪そうな顔…
やっぱり風間くんを彼氏にするつもりだよね…
風間くんを好きでいるのはやめよう
陽菜に自慢されて辛くなるだけだから