窓から輝く月が綺麗に見えていたその時。
不思議な風が吹いて、体を起こしてみる。
目の前に、深くフードを被った男の子が立っていた。
こんなこと普通ならあり得ないし、夢を見てるんだろうと思った。
突然男の子が口を開いた。
え、心読んだの??
てかなんで名前を......?
思考が停止した。
確かに、この黒い服装は、「死神」というイメージと一致しないでもないのだが......。
もう、迎えに来たの!?早すぎない!?
さすがに、そこまで心の準備はできてない。
一番気になって、ダメ元で聞いてみた。
春には、思い残しがあるとさっき発覚したばっかりなのに......。
これは気になった。
すると、相手は、フードの奥で、読みにくい表情をして言った。
死神は、左手を頭の後ろにやった。
その仕草は、どこかでみたことがあった。
少し、相手は戸惑った顔をした。
これまでだれにも言えなかったことが言えた。
死神君は、......さらに戸惑った表情だ。
......困っちゃった?どうして?
別に、死ぬことに対して恐怖がなかったら、そちら側はやりやすいんじゃ?
......もしかすると、今この場で......!?
余計なこといっちゃった!?
......まぁ、いずれは死ぬんだから、いいけど。
なのに。
つじつまの合わないことを言い出した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。