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始業式も終わり、下校する時
さ、さっき……。
絶対、睨んできたよね?
いつもと変わらず、紫耀と廉はモテる。
私たちの学年は全部で6組あるから、知らない人も多いと思ったが、そんな事はなかった。
前のクラスも、皆いい子達ばかりで、私をいじめるなんてことはせずに、紫耀や廉とも仲良くしていた。
でも、だめみたい。
楽しくなんか、できるかな…
私が元気なくいると、絶対迷惑かける。
だから、いつもみたいに、つっこまないと。
今日のはきっと、たまたまだから。
そしたら廉が、私の顔にデコピンしてきた
でもなんだか、
廉や紫耀からの不器用な励ましのような気がして、
気持ち良かった。嬉しかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!