第16話

たった1人
2,039
2018/09/17 06:25
あなた

……ッ。
ご、ごめん紫耀…ちょっとトイレ、行ってくる!

紫耀
紫耀
え、ちょっ…


もう、無理だ…耐えきれない。



紫耀には悪いけど、トイレって嘘ついて、屋上へ。




あなた

グスッ…廉ぅ…ッ…。!うぅっ…





廉が、とられた…。



いつも、うちと廉と紫耀は一緒。



けど、もう隣にはいない…。




こうやって、1人で泣いてる時は、いつも最初に駆け付けてくれる…。



でも…もうそんな廉は、助けてもくれないんだ。





あなた

もうっ……、どうすれば、いい…?
隣で…、守ってくれるんじゃなかったの…?
廉…ッ、!廉…、グスッ…





ガチャ








え…?誰…?




紫耀
紫耀
あなた…やっぱりここにいた…。
あなた

え、紫耀…

紫耀
紫耀
大丈夫か、?…って言っても、な訳ないか…
あなた

ごめんね!紫耀!
きっと、あなたが何か悪かったんだ…
も、もう気にしないで!大丈夫だから…




これ以上、誰にも迷惑かけたくない。



うちの隣には、廉と紫耀だけだった。



廉がいない今、紫耀までいなくなったら、
友達は…0。


だからこそ、紫耀には、迷惑かけられない。







ドアに向かって、屋上から降りようとしたら、




パシッ




紫耀
紫耀
バカ。
あなた

え…、?

紫耀
紫耀
大丈夫な訳ないじゃん。
あなた

ッ……




紫耀は、わかっていたんだ。




紫耀
紫耀
あなたはなにも、悪くない。
元はと言えば、あの女だし。廉も、意味わかんないし。
あなた

……

紫耀
紫耀
正直言って、俺だってよくわかんないよ。
俺らは永久不滅だろ?
もういつメンじゃないとか、言われて…。
俺だって、廉も大事な奴だし!やだよ…
あなたはさらに、辛いじゃん。
ほんとに信じられない…。あなたの彼氏でもある廉なのに、勝手な行動して…。
紫耀
紫耀
俺よりも、あなたの方が、辛いだろ!
あなたを守れんのは…俺しかいないんだ。
廉がいない今、支えてあげられるのは、俺だけなんだ…。だから、素直になれって…ッ。



そっか…。



紫耀だって、辛いはず。


けど、こんなうちにまで気を使ってくれる。


守ってくれるって…。






もう、嘘なんかつけないな…。


うちには、紫耀しか頼る相手が、いないんだもん。

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