第22話
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寧々side
朝 、学校に行く前に少しスマホをいじる。
そのとき、あなたの活動名の通知が来ていた。
新曲だ 。
曲名は「 気持ちだけ頂きます 」
再生してすぐ聞きたい 。
でも今日は寝坊しちゃったから走って学校に行かなければならない 。
そうすると曲をよく聞けない 。
仕方ない 、 昼休みに聞こう 。
朝 、 教室へ入ると急に青柳に話しかけられた 。
なんなんだ 、と思いながら通り抜けようとしたところをまた話しかけられる。
あ、これは何も知らないな 。
あなたの下の名前があなたの活動名ってことには気づいてない。
それで会話は終わり 。
なんだったんだろう 。
げ 。
新曲を作り始めてから投稿するまですごく早かった 。
多分徹夜して作ったんだろう。
そのダメージで休むのだ 。 多分。
.
昼休み 。
1人でゆっくり聴きたいので人気のないところで腰を下ろす。
ゆっくり再生ボタンを押す。
♪─────!!
凄くゆったりした曲調なのに激しく感じる。
歌っているあなたの下の名前の声がとても苦しそうで 。
1番の歌詞は主に「1人になりたい」
2番は「放っておいて」
そしてついにラスサビ……!
分かる分かる 伝わるから
知ってるよキミの事
僕を心配 ありがとう
でもねでもね 放っといて
今は1人になりたいの
だから
気持ちだけ お気持ちだけ
いただきます
彰人side
今日は冬弥は委員会があって 、 あなたの下の名前もいない 。
わざわざクラスのやつらと食べるつもりもない。
じゃあどうするかと言うと 、一人で食べるということだ 。
ん?
草薙さんの声がした気がする。
階段の踊り場で草薙さんは一人で昼飯を並べていた 。
しかし手をつけられてはないようだ。
耳にイヤホンを付けて、なにか聴いているように見える。
話しかける気にもなれなくて、近くに腰を下ろして弁当を広げる。
草薙が俺に気づく。
スマホを俺に向ける 。
『気持ちだけいただきます』?
.
話そうとした時に草薙は立ち上がる。
食べてないだろ、それをいい切る前に草薙はどこかへ行ってしまった 。
どうしたんだろうか。