...今日は珍しく早起きしたな。
最後にオンニと会ったあの時から、一体何回目を閉じて目を覚ましたのか分からない。
それ程までに忙しないこの数週間を過ごし、気付けばもう既に12月。
IZ*ONEの子達とはショーケースやAAAでの共演も相俟って頻繁にカトクのやり取りをするようになった。
中でも一番意外だったのが...やっぱりチェウォンちゃん。
ショーケースの時の事もあり距離を置かれてるとばっかり思ってたけど、全然そんなことなくて。返信めちゃ早いしいろんな話題出してくれるしで話してるのが楽しい。
もちろん他の子ともやり取りはある。サナキちゃん達と日本の話をしたり、イェナユリちゃん達とアンニョンズが作った謎のグループに入れられたりして楽しいことだらけ。
あと三日後...12月5日には今年の夏に行ったばかりの日本へ向かう。
日本デビューももうすぐ1周年...2017年のFNS歌謡祭で日本デビューを果たしてから2度目も呼んでいただけた。
先日のVでも沢山のファンの方に楽しみにしていただけてることを知って俄然やる気が出てきて。
今は事務所の練習室で練習中。今日は丸一日練習してたから汗ダラッダラでお風呂上がりみたいな状態。
一緒に舞台に上がるダンサーさん達は流石に疲れました...とつい二時間前に帰っていって今は一人で鏡の前に立っている。
早く帰ってお風呂入りたいな〜なんて思いながらも気付いたらリピート再生してまた練習してを繰り返してる。
練習室の壁には寄り掛かりながらスマホをいじっているマネオンニが居て、今日の三食全てをコンビニで買ってきてくれた。
少しは私もマネオンニ孝行しないとかな...なんて思っていると突然音源が切れて、着信音が響き渡る。
相手はほぼ毎日のようにくだらないことを送ってくる中学生...全く手がかかる後輩だよ。ほんとに。笑
元気よく繋がった通話は元気よく切れて。
スピーカーにした訳でもないのに練習室に響き渡っていたユジンの声はあの鉄のマネオンニすらも笑顔にさせる力がある。
いや、マネオンニはただ単に私に当たりきついだけで他の子には優しいんだよね。なんなんだよ。
再度マネオンニにスマホから音源を流してもらって、最初から通してまた振りを確認する。
この曲は気を抜いたら置いてかれるほど速いテンポだから...一瞬でも気を抜いたら多分持ち直すのはかなり厳しい。
マネオンニの合図を聞けば途端に周りは見えなくなる。目の前の鏡に映る自分と、後は真っ暗な世界。
漫画だけだと思うでしょ?集中したら周り見えなくなるとかって。
割とほんとにあるんだよ、周囲の情報全部遮断されて視覚と聴覚だけで練習するの。
さっきも言った通り馬鹿みたいなテンポだからレコーディングも苦労した。口は回らないわ歌詞はおぼつかないわでもう...ほんと疲れる曲。
最難関の曲の中盤もミスなく通り、あとは終盤にあるラップ部分。ここだけが何度やっても出来ない...
...あ、ほらズレた。
ミスした途端に私の視界は突然練習室の風景に移り変わって、私の真後ろで体育座りしているユジン...を含む12人に気が付く。
冬だと言うのに髪からぽたぽたと落ちる汗をタオルで拭いながら彼女達の間に挟まれてお喋りタイム。
一度座ってしまえば足に力が入らなくて、結局今日の練習はそこで終わり。
私を含む13人で円になって話すとなった時、私の両隣に来たのはウリムズの二人だった。
ウンビオンニはまぁ相変わらず近めの距離感なんだけど...その反対側に座る子もなかなか厄介な子らしく。
ウンビオンニに見えないように調整しながら私の手に指を滑り込ませてきた。
コソコソと繋いでくるからなんだか私も大きな声でどうしたの?なんて聞けなくて、今日初めて合った目線で聞いてみると首を横に振る。
...なんか、怖いな笑
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!