第10話

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2021/12/09 18:31




てっきりウンビオンニかと思って振り向いたそこに居たのは、事務所の後輩でもなく元カノでもない。




つい最近よくカトクで話すようになった子。




なんだか真剣な顔で突っ立ってるからなんか怒られでもするのかなと思ったら、




私の隣の空いてる席に座ってもいいか、と声をかけてくる。




あなた
あ、どうぞ...
チェウォン
チェウォン
ありがとうございます...




...え、何も話さないの?




これ私から話しかけた方がいいのかな。でも話題とかないんだけど...




チェウォン
チェウォン
あの...
あなた
は、はい...
チェウォン
チェウォン
こ...この前、突然手繋いだりしてすみませんでした!
あなた
あ、いや...気にしてないよ?
チェウォン
チェウォン
後、ショーコンの時逃げちゃったのもすみません...ファン、だったので...
あなた
まぁ...うん。最初はびっくりしたけどね笑
チェウォン
チェウォン
それで...明日って空いてますか?
あなた
明日?明日...はちょっと難しいかな...
チェウォン
チェウォン
...そう、ですよね...すみません、差し出がましいこと言っちゃって
あなた
差し出がましい...?笑 別の日じゃだめかな?
チェウォン
チェウォン
いいんですか?あんな態度取っちゃったのに...
あなた
気にしてないって笑 IZ*ONEのみんなとは仲良くしたいから
チェウォン
チェウォン
じゃあ...大晦日って、どうですか?
あなた
えっ...大丈夫?忙しくない?
チェウォン
チェウォン
あなたのニックネームさんに会うためなら大丈夫です...!
あなた
...そっか笑 あんまり無理しないでね?
チェウォン
チェウォン
はい!じゃあ私は戻りますね!
あなた
あ、もう戻っちゃうの?まだここにいてもいいのに
チェウォン
チェウォン
えっ......い、いんです...か...?
あなた
悪いことないよ笑 チェウォンちゃんが良ければ私の話し相手になって?
あなた
マネオンニとじゃ説教しか始まらないから
マネさん
マネさん
説教されることしか言わないから悪いでしょ?
あなた
...ね?お願い。
チェウォン
チェウォン
っ...//分かりました、失礼します...
あなた
失礼しますって笑




ファンサを込めて隣に座り続けることをお願いしてみると、




びっくりするほど顔を真っ赤に染めて大人しく座り直してくれる。




それがまためちゃくちゃ可愛くて...思わず手が勝手に頭を撫でちゃうとまた真っ赤になって握り拳作って目を力1倍瞑ってるの笑




いやぁ...いいな、ウンビオンニ。こんなかわいい後輩がいただなんて羨ましいにも程があるわ笑




































チェウォンside___




あれから時は過ぎて約束の日の前日。




あの時、目の前で憧れのあなたのニックネームさんのステージを見てたらやっぱり声も出せないほど圧倒されて。




ステージが終わって、番組自体も終わって。全員でホテルに戻った後もずっとあの動画を見続けて。




ほんとにすきだね...なんてクラオンニやイェナオンニにからかわれながらも一人でずっと悶えてた。




ただ...その翌日、かなりショッキングと言うか...信じたくない、様な出来事を目にしてしまった。




いつも通りYouTubeを見て、インスタとかTwitterを見てた時に。




あなたのニックネームさんのインスタが更新されてたから確認してみたら、ストーリーに"사랑해"という文字と共に随分と綺麗な後ろ姿。




びっくりした、というよりも悲しくなったというか頭をハンマーで殴られたような衝撃が数日間抜けてくれなかった。




今まで...本人とカトクを交換したり、話したりすることがなかった時はこういうストーリーがあってもそこまで気にしてなかったのに。




あなたのニックネームさんが信じられないほどに人たらしで、愛してるなんて誰にでも言うことは分かってたのに。




そんなことがあったからか、今の気分は自分でもよく分からない感覚。




明日二人きりで会えることが凄く光栄で、嬉しいのに心のどこかがモヤモヤしてイライラする。




楽しみなのに、楽しみじゃない。




それなのに、今はチェヨンを連れ出して明日の服を選びに来てる。




後...相談も兼ねて。




チェウォン
チェウォン
ほんとに...どうしよう...明日普通に話せるかなぁ...
チェヨン
チェヨン
前からそういう事があったなら気にしなくてもいいんじゃない?
チェウォン
チェウォン
でもさぁ...なんか、なんか違うんだよね...
チェヨン
チェヨン
ん〜...あ!いっそ告白しちゃうとか?
チェウォン
チェウォン
...チェヨナ、私は悲しいよ...真面目に話聞いてくれると思ったのに...
チェヨン
チェヨン
真面目に聞いてるよ笑 愛してるくらいなら友達にも言うんじゃない?
チェヨン
チェヨン
ほら、私達がお互いに言う感覚と同じだったりするかもじゃん
チェウォン
チェウォン
それだったら後ろ姿とかじゃなくない?あの匂わせがただの友達なんて思えないよ...
チェヨン
チェヨン
まぁ...ていうかこの服良さそうじゃない?チェウォンに似合いそう
チェウォン
チェウォン
...あなたのニックネームさん、似合ってるって言ってくれるかな
チェヨン
チェヨン
...そんなの私に聞かないでよ笑




自分でも相当ぞっこんだなって思うくらいあなたさんが好きだし、こんなの叶わないってわかってるけど。




今まで夢見続けてきただけに現実を受け止められないでいる私がいる。




Vライブでいつも見てきたあの笑顔もそうだし、ファンミーティングで私の手を握って向けてくれたあの優しい声もそう。




あなたさんは覚えてないみたいだけど、私にとってはあの一瞬一瞬が今も宝物で、プデュを生き抜く力にもなってた。




それが夢だったなんて信じたくない。信じなきゃ行けないのはわかるけど信じたくない。




...明日が怖いな






















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