第11話

십일
1,262
2021/12/28 08:21




ジスオンニを家族に紹介したあの日から、もう大晦日。




チェウォンちゃんと約束した日なんだけど...どこか、私のベッドに寝転がってる人の機嫌が悪い。




家族には話したものの、当然前の家の人といえば印象は良くないようで




母さんは渋々私達の関係に頷いてくれたけど、父さんは頑固というかなんというか...




私が両性愛者であることはずっと前から肯定してくれてたし、それは両親とその親戚も同じ。




ただ...相手が相手だと。




俺はあなたを傷付けた連中の人間にあなたを任せたくはない。そう一刀両断されて落ち込んでる。




それと...私自身、この人と数日間過ごして思ったことがある。




確かに色気も美しさもあの頃とは段違いだし、女性としての魅力は数百倍くらいにはなった。




とは言うものの、あの頃と同じままの感情というか性格というか...あまりに、積極的過ぎて私が辛い。




あの頃は若かったから、ていうか若すぎたから。連日連夜そういうことしてもそこまで体力の消耗はなかった。




ただ、私ももう22歳な訳で。毎晩そういう声を聞き続ければ耳も身体も疲れる。




逆に、なんでそんな毎日果てまくってるのに飽きないのかが不思議。まぁ快感に飽きるも何も無いんだろうけど。




束縛が激しすぎることもそう。




オンニもバラエティには出てるからわかるはずなのに、共演者の方と少し話したくらいでめんどくさいほどしつこくなる。




あなたのニックネームが好きなのは私でしょ?なんで私以外の女の人と話すの?みたいな。




機嫌がいい日はまだいいけど、悪い日はその日一日中ベッドから離してくれない日もあった。腕を縛られて、家事も何もさせて貰えなくて。




練習の時は冬だから長袖で目立たなかったけど、少し捲ればくっきりと青黒くなってる。




動いてもバレないように、最近手荒れが...と嘘をついて手袋をしてるけど、それもいつバレるか分からない。




たった一ヶ月でまさかって思うでしょ?私もまさかこんなんだとは思ってなかった。




とりあえず、それはそれでどうにかしなきゃいけないんだけど




今日は約束がある訳で...いつまでもベッドの上で私に引っ付いたままのこの人をどうしたらいいのか分からない。




あなた
オンニ、そろそろ私出たいんだけど...
ジス
ジス
私を置いて?傷心中の私を置いてくの?
あなた
仕方ないでしょ?約束ほっぽり出せないし
ジス
ジス
...冷たい。なんか、前より冷たくなった。
あなた
何言ってんの...笑 帰ってきたら、ちゃんとしてあげるから待ってて?
ジス
ジス
...なんでそんなにかっこいい格好してるの?誰に会いに行くの?
あなた
な...何?急にメンヘラみたいな...笑
ジス
ジス
あなたは、私の彼女でしょ?私だけ見てればいいじゃん
あなた
いや、私はあの子のことそういう目で見てないし....
ジス
ジス
...首、出して。
あなた
...なんで?
ジス
ジス
いいから、出して




せっかく着終わった服のボタンを荒々しく外されたかと思えば突然首元に少しの痛みが走って。




オンニの顔が離れたかと思えばオンニが私の首元を見て寒気を感じるような笑みを浮かべた。




それを見て一瞬思ってしまった。この人は、やばいなと。




今まで何度も感じてたけど、本気で関わったらやばいタイプなのだと。




当然、付けられたものはキスマークと呼ばれるあれ。




ただ、今までつけられてきたどのキスマークよりも赤く、キツい色をしていた。




直感的にこの人はやばい。かなり、いや相当狂ってると今までの出来事を振り返って悟った私は、できるだけ刺激しないように彼女を引き剥がして。




無意識に身体が震えてしまうほどの恐怖を振り切るように車へ走った。





























チェウォンside___




チェウォン
チェウォン
あなたのニックネームさん...大丈夫かな...




約束の時間から約30分が経過している。




さっきから私の視線は目の前の人混みと携帯に映し出されるデジタル時計を行き来して。




カトクの通知音がする度に肩を跳ね上げてはチェヨンからの心配のメッセージに肩を下ろしてを繰り返してる。




あなたのニックネームさんが問題児とか呼ばれてる理由が遅刻を良くするからだって言うのは聞いてたけど...




正直もうちょっと遅れてきてくれてもいいかもしれない。笑




さっきからドキドキしっぱなしでまともに息出来てないし




チェヨンは似合ってるって言ってくれたけど、ほんとに似合ってるかなぁ...




隣で周りを警戒してるマネオンニと話しながら、深呼吸を繰り返しているうちに突然目の前から私の名前を呼ぶ声がして、




ふと顔を上げると車窓から顔を出している無邪気な殺人級笑顔を向けるあなたのニックネームさん。




......ほんとに私が呼ばれた?合ってる?




黒のチェスターコート、白のタートルニット、黒のパンツ...どこのモデル?めちゃくちゃ...かっこいい




あまりの綺麗さとかっこよさと私服のセンスの良さに固まっていると、




車から降りてきてはマネオンニに一礼して、私の目の前で手を振っているあなたのニックネームさん。




あなた
チェウォンちゃん?大丈夫?
チェウォン
チェウォン
へっ...あ、すみません、ちょっと心臓止まってました...
あなた
なにそれ笑 どうぞ、乗って?
チェウォン
チェウォン
あ、わざわざすみません...失礼しますっ...!
あなた
そんな緊張しなくても笑




さりげなく私の手を取って、さりげなく助手席側の扉を開いてくれて。




さりげなく私の荷物を持ってくれて、さりげなくシートベルトまで閉めてくれて。




全てを流れるようにさりげなく、スムーズにこなして運転席に戻ってきたあなたのニックネームさんの横顔はあまりに整い過ぎていて見惚れる所の話じゃない。




顔がいいのはもちろんのこと、些細な行動にすら紳士的な性格が出ていてこんなのされて普通でいられる方がおかしい




今日...一日、私が誘ったけど...大丈夫じゃなさそうだな、これは...笑




















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