第12話

십이 微🔞?
1,970
2022/01/11 09:41




靄がかかったように混乱している頭をどうにか別のことで埋めようとしても、簡単には出て行ってくれないあの人の顔が嫌になる。




待ち合わせ場所へ車で迎えば、随分可愛らしい格好で立ち尽くしてるチェウォンちゃんとそのマネージャーさん。




うわっ...私服のセンス良すぎじゃん、超可愛い




黒のミニスカに赤のカーディガンに...チェックのベレー帽?うわ、自分に似合うの分かってんな...




マネージャーさんも可愛いけどやっぱりアイドルは一際目立つんだな...私も一応アイドルだけど




窓を半分開けてチェウォンちゃんの名前を呼ぶと、かなり驚いたような顔でまじまじと私を見てる。




隣のマネージャーさんはそんな彼女を見て苦笑いを浮かべながら私にお辞儀をしてくれて。




未だに口を手で押さえているチェウォンちゃんの目の前に行けばやっと意識が戻ってきたのか、ハッとした表情で2,3回お辞儀を繰り返してくれて。




そんな彼女の初々しい反応にいちいち可愛いと思ってしまうのは、ここ最近年上しか相手してなかったから




決してこの子に逃げようとしてる訳じゃない。決して。




マネージャーさんと別れて、チェウォンちゃんの荷物を預かって、彼女を助手席へ座らせて。




サングラスをしているからか、周囲には私だと気付かれてないらしく、スムーズに車を走らせることが出来た。




あなた
まだ緊張してる?笑
チェウォン
チェウォン
さ、最初よりは慣れましたけど...緊張はします、ね...笑
あなた
それもそうか笑 あ、この毛布使って?足寒いでしょ
チェウォン
チェウォン
あ、ありがとうございます!




...珍しく、会話が長続きしない。




そこで会話が途切れてしまえば隣の彼女も気まずい雰囲気を出しているし、私も気まずくなってきて。




その場しのぎにラジオをかければ大音量で流れるEDM。




ついさっきまであの人の顔を追い出すために馬鹿みたいな音量で聞いてたのをすっかり忘れてた...笑




チェウォンちゃんもびっくりしたのか、思いっきり肩を上げて顔を顰めてしまった




あなた
ごめ...大丈夫?頭痛くなったりとかしてない?
チェウォン
チェウォン
だ、大丈夫、です...EDM系が好きなんですね...笑
あなた
音楽ならなんでも好きだよ笑 チェウォンちゃんは?どんな音楽が好き?
チェウォン
チェウォン
あなたさんの曲ならなんでも...あ、でもバラード集が一番好きです!
あなた
え、ほんと?ファンのみんなからよくバラード下手くそとか言われるんだけど...笑
チェウォン
チェウォン
まさか!その人達のセンスがないだけで、あなたさんのバラードは凄い力があります!
あなた
...なんか、ありがと笑 そんなに褒めてくれて嬉しいや笑
あなた
あ、そうだ。今日どこ行きたいとかある?大晦日だしどこも混んでるかもだけど...
チェウォン
チェウォン
えっ...と、行きたい所と言うよりは、お願いに近いんですけど...
あなた
うん?私に出来ることならなんでもするよ?
チェウォン
チェウォン
...一緒に、初日の出を見たい、かなと...
チェウォン
チェウォン
こ、これはほんとにわがままなので!聞き流してくれて構わないので!
あなた
...いいじゃん、行こうよ初日の出。笑
チェウォン
チェウォン
えっ、いいんですか!?
あなた
勿論。用事があった訳でもないし。ただ、それまでの間をどうしようか?笑
チェウォン
チェウォン
あっ、そうですね、そっちのこと聞いてくれたんですよね...どうしましょう......?




真剣に悩んでいるのか、視線を前に移して手で顎を支えながら唸ってる。




その横顔も可愛らしくて、高い訳でもない鼻がなんだか幼さを引き立たせているようで微笑ましい。




...年下もいいかもな、なんてね




今まで、年下を相手にしたことは一度もない。




ウンビオンニも、ジスオンニも。そこまで年の差がある訳じゃないけど、二人とも年上。




ジスオンニに関しては年上ってほど精神年齢高くないけど、そういう事に関しては驚く程に積極的だから自然と年上感出てくる。そういう時だけ。




信号が赤になる度、ここはどうでしょう!とかやっぱりあそこどうですか?!なんて元気そうに喋ってるチェウォンちゃんの相手をしていると




最初は少しずつ震えていたスマホがついに着信に切り替わった。




チラ見程度に液晶を見れば相手は勿論今朝の人。




執念が凄いな...




隣の子に一言ことわってから、路傍に停車しその着信をとる。




通話ボタンに触れた途端に奥から聞こえる甘ったるい声に寒気を覚えて、急いで運転席を降りて。




あなた
なっ...なんでそんな変な声してんの...?
ジス
ジス
んっ......はぁっ、あなたが、構っ...くれない、から...
あなた
...まさかとは思うけど、そこで一人でしてないよね
ジス
ジス
何っ、が......んぁっ...!
あなた
ちょ、ごめん聞くに耐えない。無理。今日帰んないから。
ジス
ジス
なっ、ちょっと...いっ、あぁ......//
あなた
...今日中に自分の寮戻って。私が帰った時にいたら警察呼ぶから




信じらんない信じらんない信じらんない




気持ち悪い。何?なんで?どうしてそうなったの?ていうかなんで...その、自慰行為の最中に電話なの?




こっち平和な時間過ごしてるのを邪魔するかのようにそんな声聞かせないでよ...




無理、嫌だ、なんで真昼間からそんなことしてんの?




なんで人の家で勝手にそんなこと...




彼女が、私の部屋のベッドの上で。そういうことをしているという事実が頭に入った途端どこからかやってきた嘔吐感。




ぐっと堪えたものの、口の中には気持ち悪い特有の臭いが籠ってたまらずまた吐きそうになる。




...私、いつの間にこんなんになってたんだろ
































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