第3話

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2021/10/03 15:17




そのまま楽屋へ向かって、机に置かれた今日の流れを含む諸々の資料に目を通していると大きな音で扉が開いて。




何事かと思えば驚いたような顔をして立ち尽くしているマネオンニ。




あなた
どしたのそんなに慌てて
マネさん
マネさん
あ、いや…絶対いないから怒ってやろうと思ったらいたっけ…
あなた
そんな信用ないかな笑 割と真面目だと思うんだけど
マネさん
マネさん
じゃあ打ち合わせもしっかり時間通りできなさいよ笑
マネさん
マネさん
今日はそのまま帰る?明日朝から雑誌の撮影もあるし
あなた
あ、ごめん…ウンビオンニと話す予定入れちゃった
マネさん
マネさん
何それずるい。私も連れてってくれるならいいよ
あなた
だめ。個人的なプライベートの話だから。
マネさん
マネさん
毎日家入ってる私にプライベートとか言わないでよ…
あなた
とりあえずだめ。これだけはだめ
マネさん
マネさん
わかった…車持ってきとこうか?
あなた
いいの?お願いできるならお願いしたい
マネさん
マネさん
いいよ、その代わり無事に帰ること。あんたまだサセンにつけられてるんだから
あなた
わかってるって。じゃ、そろそろ私出番だからいってきまーす
マネさん
マネさん
うん、頑張って…あ、あの人、また来てたけどまだ縁切ってないの?
あなた
…一応切ったんだけどね。
マネさん
マネさん
また社長に相談しとこうか?
あなた
いや…まだ実害ないから。大丈夫。
マネさん
マネさん
…そう。とりあえず今日だけは頑張ってきなさい
あなた
はい笑 じゃ行ってくるね





マネオンニにいつもとは違う優しい手つきで背中を摩られて楽屋を出る。




…直接会いにくるなんて。金の無心ほど怖いものはないな…笑




せめてこれだけはしっかりやらないと。彼女たちの大事なデビュー戦なんだから私が台無しにしたらいけない。








































あなた
お疲れ様でした〜!




何事もなく、綺麗なスタートを切ったIZ*ONEの楽屋に呼ばれて12人の目の前に立つ。




ウンビオンニやマンネ二人組以外は結構控えめな挨拶をくれるのにここの3人だけはかなり積極的すぎてついていけない笑




…チェウォンちゃんはやっぱり私のことが嫌いなのか、メンバー内で一番距離を取ってその様子を見守っている。




あの子の声好きなのにこれじゃ多分仲良くなれなさそうだなぁ…



咲良
咲良
あの、あなたさんって日本語話せるんですか?
あなた
え、めちゃ急だね笑 日本デビューしてるから多少は話せるよ
あなた
名前は日本名だけど日本語下手なの笑
咲良
咲良
いやいやそんなこと、 デビューからファンで…この前Vliveの時日本語でしたよね?
あなた
うん…じゃあ私が咲良ちゃんの話してたのも聞いてた?
咲良
咲良
え?!い、いつですか!?!
あなた
割と最後の方でファンの方からプデュ見てますか〜ってコメントきたから…
咲良
咲良
見てきます!!あ...連絡先交換していただけませんか!?
あなた
あ、いいよ〜…これ、私のカトク。追加しといてください
咲良
咲良
ありがとうございます…!!
ウンビ
ウンビ
…咲良ってあなたのニックネームのファンだったんだ笑
チェヨン
チェヨン
咲良のベッド、あなたさんとレドベル先輩のペンライトとかアルバムとかでいっぱいなんですよ笑
仁美
仁美
奈子も凄いですよ、日本にいる時からカムバの度に散財してました笑
奈子
奈子
毎回見てますほんとにありがとうございます!!
あなた
あ、ありがとうは私のセリフじゃ...?笑
イェナ
イェナ
そういえばチェウォンのベッドも…
チェウォン
チェウォン
っあぁあぁぁああ!!イェナオンニ!黙っててください!!
あなた
え…そうなの?
イェナ
イェナ
凄いですよ〜笑 毎晩写真見てはため息ついて、アルバムあなたさんばっかりです。
あなた
…なんか嬉しい。笑
ウォニョン
ウォニョン
!?あ、あの…あのあなたオンニがデレた…!?
あなた
いや、別にそういうわけじゃないけど笑
ユジン
ユジン
や〜…オンニのせいでチェウォンオンニ真っ赤ですよ!笑
あなた
え、私のせいなの?
ウンビ
ウンビ
確かに、いっつもテレビ占領してあなたのニックネームのライブとか見てるもんね
チェウォン
チェウォン
ウンビオンニ…//
あなた
そんな推してくれてたんだ笑 これからもどうぞよろしくお願いします…
チェウォン
チェウォン
あ、え…と、いいんですか?//
あなた
ただの握手だよ?
へウォン
へウォン
なんなら連絡先も交換して貰えば?
チェウォン
チェウォン
そ、それはさすがに...
あなた
いいよ?私の連絡先でよければ。咲良ちゃんと一緒に見てくれる?
ウォニョン
ウォニョン
オンニ私と交換してくれないのに…
あなた
…え?交換してない?
ウォニョン
ウォニョン
してませんよ!?
あなた
...ごめん。ウォニョンも咲良ちゃんからもらっといて笑
ウォニョン
ウォニョン
オンニってほんとグダグダですよね…
あなた
…私もしかして9歳下に呆れられてたりする?
ユジン
ユジン
そりゃ呆れもしますよこんなんじゃ
あなた
私ほんとに先輩だよね?大丈夫?
ウンビ
ウンビ
あなたのニックネーム、そろそろ行こう?
あなた
あぁ…いい時間ですしね。行きましょうか
ユリ
ユリ
二人でどこか行くんですか?
あなた
久しぶりにご飯行こうかな〜って
ミンジュ
ミンジュ
そうなんですね〜…オンニ楽しんできてくださいね!
ウンビ
ウンビ
うん、ありがと笑 みんなも気をつけて帰ってね





コンサート後だと言うのにかなり騒がしい11人。




咲良ちゃんは血眼になって私のVliveを見漁ってるし、チェウォンちゃんなんかはさっきから一言も発する事なく咲良ちゃんと一緒に見てる。



意外だったな、あの子が私のファンなんて




あんな顔されたし、嫌われてるとばっかり思ってたのに




珍しくウンビオンニに腕を引かれながら、マネオンニから車の鍵をもらってカバンを手に車へ向かう。




そういえば、助手席に人乗せるのあれ以来なかったな...




...あの時はもっと近かったのに


















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