その後作ちゃんが切り出したのは、その一言だった。
そして続けてぽつりと言う。
その時、私が猪狩くんが欲しいって言ったのは、恋愛感情の他に、こうなることを見越していたからだった。
大好き、だけど、HiHi Jetsが憎かった。
お姉ちゃんのこと、殺したから。
泉央姉が、途端に忙しくなった。
残業なんて言ったって、泉央姉は仕事早いし、効率的に物事進めるの得意だし。
珍しいななんて思ってたけど、気付けばよかった。
部屋に入って、目を疑った。
顔が真っ青で、口からだらしなく唾液が垂れて。
見たことない泉央姉が、伏せていた。
嫌な予感がして、そっと近づく。
首に残った吉川線。
近くに落ちてた、枕のゴム。
泉央姉の脈は、もうなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。