私と いぇりんさん の声が


　　　ぴったり重なった　．


　　　ぐくくん の後ろから顔をちらっと覗かせて


　　　いぇりんさん を見れば　、


　　　信じられない とでも言うように


　　　ぐくくん をどこか ぽかん と見つめていた　．

　　　どこか冗談めかしたように


　　　笑いながらそう言う いぇりんさん　．


　　　そんな いぇりんさん に　、


　　　ぐくくん は間髪入れず答えた　．

　　　どきんっと心臓が跳ねて　、


　　　思わず驚きの声が漏れた　．


　　　突然のことに思考が置いてけぼりだ　．


　　　だって　、今の答えは


　　　ぐくくん が私のことを好きだ ということを


　　　肯定しているから　､､





　　　嬉しさで涙が出そうだった　．


　　　こんな私のことをまだ好きでいてくれてたなんて


　　　ただそれだけでもう　、


　　　私は胸がいっぱいだった　．




　　　一方 いぇりんさん は　、


　　　信じられなさそうにしながら　、


　　　呆れたように笑っている　．

　　　ぐくくん のまっすぐな言葉に　、


　　　段々と狼狽えてきた いぇりんさん　．


　　　私はそれを固唾を飲んで見守る　．


　　　視界の隅でで いぇな たちも　、


　　　じっとこちらを見つめていた　．

　　　もう限界だ　．泣いちゃう　．


　　　嬉しすぎて涙が溢れてくる　．


　　　こんな状況なのに 一度溢れてしまった涙は　、


　　　なかなか止まってくれない　．


　　　私は　、いぇりんさん に


　　　見えないように ぐくくん の スーツ を掴んで


　　　その背中に頰を寄せた　．


　　　心臓が ぐくくん にも聞こえるんじゃないか


　　　ってくらい　、大きく早く波打っていた　．

　　　ぱんっと乾いた音がして　


　　　ぐくくん の体が少し揺れた　．


　　　ぱっと顔を上げれば頬に片手を添える ぐくくん　．





　　　びんた されたんだ　､､､､





　　　少し赤くなったそこを見て　、


　　　なんだか申し訳なくなって


　　　慌てて ぐくくん の背中から離れた　．


　　　そして　最低　という声を最後に　、


　　　いぇりんさん は　、


　　　走って部屋から出て行った　．

　　　アイドルの一番大事な 顔　．


　　　びんた されたところが腫れてしまったら


　　　大変だ　．少なくとも私のせいではあるから　､､


　　　そう思ってぐくくん の正面側に回ると　、


　　　そのまま私の背中に手が回って


　　　ぐっ と あっという間に引き寄せられて　、


　　　ぎゅっと強く抱きしめられていた　．

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