もしかして　、


　　　いぇりんさん を呼んだのは　、


　　　ぐくくん だったの　？


　　　ぐくくん のお迎えに来たってこと　､､   ？






　　　考えたくない事実が　、


　　　ぽんぽんと頭に浮かんでは消える　．

　　　もう見ていられなかった　．


　　　どこからどう見ても　、


　　　美男美女 のカップル　．


　　　たとえその性格が悪かったとしても


　　　外見はどうしてもそう見えてしまう　．





　　　すっと目を逸らして　、


　　　帰る支度を整える　．


　　　私は　、もうこれ以上ここにいられるような


　　　そんな心の広い人ではなかった　．

　　　用事なんてない　．


　　　少し いぇな たちと話して


　　　ゆっくりする予定だったけど　、


　　　突如現れた いぇりんさん のせいで


　　　いぇな たちも


　　　そんなことでは無くなってしまった　．

　　　また があるなんて信じたくないけど


　　　私はそんなに度胸があるわけでもない　．


　　　言い返せない自分が嫌だけど　、


　　　そんなにムキになる理由も無かった　．





　　　まだ座り込んでいる いぇな に


　　　先に帰るね と声をかけて　、


　　　開けっ放しのドア から出ようとすれば　、


　　　急に後ろから いぇりんさん の


　　　焦ったような声が聞こえた　．

　　　驚いて足を止めると　、


　　　それと同時に後ろから


　　　あの大好きな 落ち着く匂い がして


　　　ふわっと優しく　、


　　　でもどこか強く　、私のお腹に


　　　その腕が巻きついた　．




　　　振り返らなくてもわかる　．


　　　後ろにいるのは　、私の愛しい人　．

　　　ふっと耳にかかる ぐくくん の吐息と


　　　肩に乗せられた頭から伝わる


　　　ぐくくん の体温　．


　　　さわさわ と私の首筋をくすぐる


　　　ぐくくん のさらさらの髪　．


　　　その全てが　、私の心拍数を上げて


　　　頬に熱を持たせた　．

　　　next ....