人数が増え、より無惨の動きにバラつきが出てきた
また、伊之助さん達が持ってきてくださった紙により、少しは攻撃も通るようになった
肆ノ型と陸ノ型に伍ノ型の威力を加える
そうすることで、最強の型になる。
これは今の私に出来る最速最大の攻撃
誰もが"勝てる"そう確信した
私は光が崩れる瞬間には敏感だった
だけど、分かっていても..いつも必ず崩れてしまう
無惨の圧縮された力が一気に触手に放出され、辺り諸共私たち目掛けて振られた
その攻撃はまるで、荒れ狂う波を表し、私達はそれに抗えない惨めな人間。
無惨は..厄災だ
声を上げる間もなく私はそびえ立つ建物を突き破った
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「起きろ」
「起きなさい」
「起きて、優春」
お父さん..お母さん..兄さん
懐かしい声に、私はまるでいつもの朝を迎えるように目を開けた
月明かりはとても美しいようで、まるで私たちを嘲笑うように微笑みかけていた
この月が沈むまではあとどれくらい掛かるのでしょう...
立とうとすると、全く力が入らない脚..
何かあるのかと身体を確認するが、吹き飛ばされた際の擦り傷等や打撲しかない。
何故だか分からず、すぐに戻らなければという想いと重なり、酷く焦りの感覚を持った
隠の方々は私の姿を確認しただけで涙を流した..
そんなにも慕っていてくださっているとは知りませんでした..
私もまだまだ無知なのです
皆さんの心に刻まれた傷の方がもっと深いのです
隠の方々に傷の簡単な手当をして頂き、私は再度立ち上がろうと試みた
だけど...やっぱり脚に力は入らない
きっと脚が動かないのは、何らかの拍子に神経がびっくりしてしまったから...
なら、刺激を与えて脳に気づかせるのです!
少し離れた位置に落ちていた刀を取ると、力いっぱい自分の脚に刺した
痛みは感じなかった
だって、私はもっともっと痛いものを知っているから
流れる血を包帯で締め付けで止血すると、簡単に包帯巻いて、今度こそ立ち上がった
もう、止まりたくは無いのです
「優春、頑張れ」
「頑張って(ニコッ」
「頑張れ」
「頑張ってください^^」
「優春、頑張ってね」
人を守り、春の如く舞う者
その時踏み出した一歩は、私が初めて鬼殺隊に足を踏み入れた時と似た感覚だった。
だけど、その感覚とは少し違って..今回は、とても優しい気持ちになれた
私は見守ってくださる方々の信頼を知れたから
もう、止まらないから
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。