「面白い方です」
そう言って、珠世さんは笑いました
そのお顔は、
静かな夜に、周りの星を明るく照らす月のように優しく、凛と美しかったのです
予期せぬ言葉に私は少し驚いてしまいましたが、すぐに了承しました
横からすごく睨まれているような気もしなくは無いのですが....
↑正体
私は珠世さんと愈史郎さんの後ろを着いて行った
進んだ道はごく普通の道で、「こんなところに住んでいて安全なのだろうか..」と思った
しかし、私の考えはいらないことだったようです
そう言って連れてこられたのは、敷地を隔てる壁の前でした
すると、愈史郎さんは躊躇うことなく壁に突っ込んでいきました
ですが、ぶつかってしまう心配などなく、
するすると壁をすり抜けてしまったのです
納得し、私も続いて壁をすり抜けた
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珠世さんは私の話を静かに、優しい笑顔を浮かべながら全て聞いてくださった
私ばかり話していたため、少し喉が乾いてしまいましたね..
珠世さんは表向きは医者だそうですが、鬼殺隊側としては薬をお作りになられているそうです
例えば、しのぶさんの使っている"鬼を殺す薬"
これも、しのぶさんと珠世さんが協力してお作りしたそうです
そして、今作っているのは...
"鬼を人に戻す薬"だとか...
その後すぐ、珠世さんは慣れた手つきで採血を行った
珠世さんの声はとても落ち着いていて、大人な女性という感じがとても伝わった
いつか、自分もこんな風に大人っぽい女性になれたら、と思うことがあります
けれど、このままでもいいと思える自分もいるのです
珠世さんの透き通った中に貫きたい信念が込められた瞳を見ていると、そう思えるのです
私は装備を付け直すと、スッと立ち上がって、2人の方を見た
顔を少し赤く染められた2人を見ると、とても幸せそうに見えました
「この笑顔をお守りするのは、私の役目ですからね」
そう心の中で呟き、私は任務に向かった
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。