第57話

【最終話】風光る
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2020/09/07 10:09
不死川実弥
不死川実弥
よォもう怪我は大丈夫なのかァ?
雛鶴 優春
雛鶴 優春
はい、もう全然平気ですよ^^
3ヶ月前、鬼殺隊が何千年と追い続けていた鬼の始祖、鬼舞辻無惨を討った
それによる鬼殺隊の被害は大きく、ほとんどの隊士が、その命を燃やし尽くしてしまいました
冨岡義勇
冨岡義勇
御館様から、手紙が届いている
不死川実弥
不死川実弥
最後の柱合会議だとよォ
雛鶴 優春
雛鶴 優春
最後、ですか...
ここ最近、"最後"という言葉を良く聞きます


ですが、同じ言葉でも意味は全く違う



嬉しいに繋がる最後
悲しいに繋がる最後
雛鶴 優春
雛鶴 優春
では、皆さんで行きましょう^^
冨岡義勇
冨岡義勇
あぁ
不死川実弥
不死川実弥
そうだなァ
全員が隊服を身につけ、身だしなみを整えると、私たちが最も尊敬すべきお方のいらっしゃる元へ向かう
こうして、この服を来てそこに行くのも、最後なのでしょうね..

そう思うと、やはり寂しいものなのです














産屋敷輝利哉
産屋敷輝利哉
来てくれてありがとう
産屋敷輝利哉
産屋敷輝利哉
今日が最後の柱合会議だ
幼いながらも跡を継ぎ、鬼殺隊を導いてくださった御館様

その口からも、最後という言葉が放たれる
産屋敷輝利哉
産屋敷輝利哉
実弥
産屋敷輝利哉
産屋敷輝利哉
義勇
産屋敷輝利哉
産屋敷輝利哉
優春
その後に呼ばれるはずだった仲間達の名は、呼ばれることがなかった
産屋敷輝利哉
産屋敷輝利哉
柱は三人だけになってしまったね
御館様のお声は、先代の御館様、耀哉様とはまた違って綺麗なお声で、とても...心に伝わるものでした
産屋敷輝利哉
産屋敷輝利哉
鬼殺隊は今日で解散する
不死川実弥
不死川実弥
御意
冨岡義勇
冨岡義勇
御意
雛鶴 優春
雛鶴 優春
御意
鬼は討った。もう、鬼殺隊の役目は果たした

これは正しい判断なのです




だから、いつも御館様に応えるための言葉に


感謝の気持ちと、これからの人生への気持ちを込めた
産屋敷かなた
長きに渡り身命をして
産屋敷くいな
世の為人の為に戦って戴き尽くして戴いたこと
産屋敷輝利哉
産屋敷輝利哉
産屋敷家一族一同
心より感謝を申し上げます
輝利哉様は、額を畳につけ、お礼の言葉を私たち鬼殺隊に仰った
冨岡義勇
冨岡義勇
顔を上げてくださいませ!
不死川実弥
不死川実弥
礼など必要御座いません!
雛鶴 優春
雛鶴 優春
私たちは、御館様に感謝をしています故、礼を言うのはこちらです!
産屋敷輝利哉
産屋敷輝利哉
...ッ
ありがとうございます..っ
輝利哉様やくいな様、かたな様の瞳からは、大粒の涙がこぼれ落ちていた
全てが、今ここで終わったこと

辛さが、認められたこと

優しさに触れることが、できたこと



全てを心に受け止めたからこそ、心のままに泣くことができたのですよね
雛鶴 優春
雛鶴 優春
あなた様はもう、無理に感情を偽らなくても良いのですよ^^
不死川実弥
不死川実弥
そうですよォ
冨岡義勇
冨岡義勇
まったく、その通りです
この時、私たち3人は向き合い、笑い合った


一面に笑顔を咲かせ、微笑みではなく、本当の笑顔というものを



心からの笑顔というものは、とても暖かくて、心地が良くて...
雛鶴 優春
雛鶴 優春
(とてもとても、美しいのです)





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈





雛鶴 優春
雛鶴 優春
ただいまです..
全ての事が終わり、自分の屋敷に戻る


誰もいないだろう、と、屋敷の中を歩く
水無月さん
お帰りなさいませ、優春様(ニコッ
雛鶴 優春
雛鶴 優春
水無、月さん..?!
水無月さん
私がいるのはおかしな事なのでしょうか?
雛鶴 優春
雛鶴 優春
い、いえ..そのような事は無いのですが...その、、
雛鶴 優春
雛鶴 優春
戦いは終わり、鬼殺隊は解散しました
ですから..水無月さんが私に仕える必要は無くなったのです...
雛鶴 優春
雛鶴 優春
ですから、水無月さんは自由に、ご自身のしたいことをして頂いて構わないのですよ..?
水無月さん
えぇ、それは分かっていますよ
だからこそ、私は私のやりたいことをさせて頂いているのです
水無月さん
私は、優春様のお付の者として一生を捧げます。
これからも、是非とも私をお傍に置いてくださいませ(ペコ
雛鶴 優春
雛鶴 優春
水無月さん..
雛鶴 優春
雛鶴 優春
はい、これからもよろしくお願い致します^^
私は本当に幸せ者です..

とてもお優しい方に恵まれ、囲まれ..
本当に、本当に..感謝しきれませんね


私も、受けた優しさをたくさんの人々に届けることができるよう、頑張らなくてはなのです










水無月さん
優春様、こちらはどうされますか?
雛鶴 優春
雛鶴 優春
.....それは、もう必要ありませんからね...
雛鶴 優春
雛鶴 優春
処分して頂けますか?
水無月さん
分かりました
水無月さんの手に乗せられた1つの服
その服に包まれ、私は鬼と戦った

ですが、もう戦う必要はありません故


苦しみの証は、残したくは無いですからね
不死川実弥
不死川実弥
雛鶴はいるかァ?
雛鶴 優春
雛鶴 優春
ッ!はい!
少し待ってください!
水無月さん
優春様、こちらをどうぞ(ニコッ
雛鶴 優春
雛鶴 優春
ありがとうございます^^
水無月さんからとあるものを受け取ると、私は廊下を駆け足で移動し、不死川さんの元へ向かった


これから、不死川さんとお買い物に行くのです!


まだ、あのお約束を覚えていてくださったので..😳









私たちは少し離れた街に向かい、とあるお店に入った

そこは綺麗な着物がたくさん置かれたお店で、見るだけでも分かるようなお高いお店でした


私が入るのを少し躊躇っていると、不死川さんは「早く入れよォ」と、優しく言ってくださった
雛鶴 優春
雛鶴 優春
ほ、本当にどれでも良いのでしょうか..
不死川実弥
不死川実弥
あァ、好きなの選びなァ
雛鶴 優春
雛鶴 優春
では、私は..
不死川さんの選んだものがいいです..//
不死川実弥
不死川実弥
.....
雛鶴 優春
雛鶴 優春
だめでしょうか...?
不死川実弥
不死川実弥
いや、全然構わねェよ
任せとけやァ
雛鶴 優春
雛鶴 優春
ありがとうございます^^
その後、不死川さんはじっくりと着物を見て周り、時間をかけて、1つの着物を選んでくださいました
着物を選ぶ不死川さんの表情はとても真剣でした


以前まではその眼差しを忌々しい相手に向けていたのだと考えると、本当に..暮らしのあれこれが変わってしまったのだと実感しました
雛鶴 優春
雛鶴 優春
行きますよ?
不死川実弥
不死川実弥
あァ
バサッと布を捲り、不死川さんの元に出る
雛鶴 優春
雛鶴 優春
に、似合っているでしょうか..?
不死川実弥
不死川実弥
ばっちりだァ
不死川さんが選んでくださった着物は


淡い緑に、桜の模様があしらわれたとても綺麗な着物でした


流れるように付けられた白色の模様は、まるで風を錯覚させ、本当に綺麗なのです
それに、この着物は、私の羽織りにもとても合うのです
雛鶴 優春
雛鶴 優春
はっ、忘れていました..
不死川実弥
不死川実弥
なんだァ?
結んでいた髪を解くと、ストンと髪が肩に落ちた

少し手でまとめると、もう一度髪を結った



だけど、いつものお団子ではなく、私は上の髪を少し掬い、下の髪を残してさっと結った


結い終わると共に、風が緩く吹き、髪や着物が軽く揺れた
不死川実弥
不死川実弥
綺麗だ...
雛鶴 優春
雛鶴 優春
ッ....///
不死川実弥
不死川実弥
ぁ..えっと..そのだなァ..今のは、、ッ
雛鶴 優春
雛鶴 優春
ありがとう、ございます‪(*´﹀`*)‬
不死川実弥
不死川実弥
..ふっ
帰るかァ
雛鶴 優春
雛鶴 優春
はい^^
不死川実弥
不死川実弥
の、前にだァ
ちぃと寄り道すんぞ
雛鶴 優春
雛鶴 優春
いいですね、寄り道
街を出ると、不死川さんの隣を歩き、その場所まで歩いた
その間も、たくさんお話をした


近所の猫が最近太ってきたことや

通いつめているおはぎのお店のおば様にお孫さんが産まれたことや

桜の蕾がだんだんと膨らんできて、そろそろ咲きそうなことなど..


とてもほんわかとしたお話を
不死川実弥
不死川実弥
ついたぞォ
雛鶴 優春
雛鶴 優春
ッ!す、すごいです..!✨
雛鶴 優春
雛鶴 優春
こんなにも一面に咲いたお花は見たことがありません!
不死川実弥
不死川実弥
ふはっ
すげェ嬉しそうで良かったわ
私はそんな不死川さんの言葉をそのまま流してしまいそうな程、丘を埋め尽くすお花に魅了されていた
不死川実弥
不死川実弥
なぁ、雛鶴
雛鶴 優春
雛鶴 優春
なんでしょう?
不死川実弥
不死川実弥
4年くらいでもいいからよォ
不死川実弥
不死川実弥
俺にお前の人生を分けてくれねェか?
不死川さんは、とても自然に、そう言った


その時のお声は、力強くもしなやかで..私の、大好きなお声でした
雛鶴 優春
雛鶴 優春
ふふっ
4年なんかじゃ私が物足りないです^^
雛鶴 優春
雛鶴 優春
5年後も、10年後も..私の人生はずっとあなたの傍に..(ニコッ
その命が直ぐに尽きてしまうのだとしても、その後も私はあなたの傍にいたいのです











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パタッと一冊の本が閉じられ、この物語は終了した
果たしてこれは誰かが描いた空想のストーリーなのか

本当のお話なのか



それは定かではないようですよ^^





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「柱の私」





柱となった優春の、春のように優しいお話。





今ここに、幕を下ろす









つづく

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