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第2話

file#1ー1 お隣盗難事件
縦岸 健介
おはようございます、理央さん。今日もよろしくお願いします。
尾崎 理央
……はい、よろしくお願いします…。
そんな一言を起に、僕らは席について、客を待つことにした。
……今日来なかったら、記録更新だな。
そんなことを思いながら、近くにあった漫画を手にとって、読み始めた。
僕が5巻を読み終わる頃、インターホンが鳴った。
縦岸 健介
僕が出ます。…はい、こちら尾崎探偵事務所です。
'
はい。すみません、実は依頼があるんです。
がた、と音がして夢うつつになっていた理央さんが身体を起こした。
尾崎 理央
いっ、依頼ですかっ!通してください!
僕は言われるがままに、玄関にいた依頼人を家_もとい、事務所に通した。
久しぶりの依頼なので、理央さんはうきうきしながら依頼人の目の前のソファーに座った。
……これで、記録は破られなかったな。
そんなことを思いながら、「どうぞ」と、コーヒーを依頼人に差し出した。
'
えっと…僕の姉の話なんですけど、姉の財産が盗まれたらしくて……。
ほぅ…、どうやら盗難事件らしい。
尾崎 理央
失礼が、「財産」、ではなく「財布」の間違いではないですか?家にそんな大金があるんですか?それはちょっと不用心だと思いますが…
'
それは僕も知らないので姉から直接聞いてください。百聞は一見にしかず、現場にお連れしますので。
その場で話は切って、依頼人の車で現場に向かうことにした。
着いたのは、小さなアパートだった。失礼だが、とても綺麗……とは言いにくい、ボロいアパートだった。今もきいきい音を立てているので、風が吹いたら倒れてしまうのではないか。
由香
嗚呼、やっと連れてきたのね、裕太!
車を降りると、20代前半の女性が依頼人に声をかけた。
裕太
この人が僕の姉の由香です。姉さん、探偵は連れてきたから、帰るね。
そう言うと、裕太、という男性は車で何処かに言ってしまった。
由香
初めまして、川村 由香です。今日はわざわざありがとうございます。
尾崎 理央
初めまして、所長の尾崎です。早速ですが、現場を見せてください。
理央さんは、久しぶりの依頼で、珍しく前のめりになっていた。僕はそんな理央さんにも驚いたが、由香さんも「わかりました!」と言ってせかせかと歩いていってしまったので、今日は疲れるのを承知で依頼に挑むことにした。
アパートの2階の階段を昇っていると、前に杖をついているおじいさんの姿があった。僕だって良心ぐらいあるので、おじいさんをエスコートしてあげて階段を渡らせてあげた。
お爺さん
ありがとう。
おじいさんはそんなことを言って、203号室に入っていった。
尾崎 理央
縦岸さんって、結構優しいんですね…
その状況を見ていた理央さんが口出しをして来た。それは、一体どういう意味なのか。「どういう意味ですか」、と言おうと口を開けた瞬間、
由香
二人とも何をしているんですか!早く来てください!
と、言われてしまった。
しぶしぶ由香さんの住んでいる204号室の前に足を動かすと、ドアを開けてくれたのでゆっくりと中をみた。
尾崎 理央
……!?
縦岸 健介
え……!?
思わず声を漏らしてしまった。
部屋は、無惨にも荒らされてた。地面には服や置物など、色々なものが散らばっており、たくさんのものが跡形もなく壊れていた。
由香
強盗に、入られたんです。