シルクside
あなたが男に連れ去られそうになった。
多分、ダーマが助けた時も奴らがいたんだろう。
...許せないな。
あなたを傷つけるつもりか...。
あなたは座り込んでしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
屋敷
シルクの部屋にて。
あなたをベッドに座らせて、
俺は床に座った。
そしてあなたは俺に全てを話してくれた。
あなたの父親が酒浸りだったこと。
よくあなたを殴ってたこと。
借金を残して消えたこと。
そして、俺たちとあなたが出会った夜のこと。
聞いてて腹が立ってきた。
もちろん、あなたはそんなこと望んでないはずだ。
戻りたかったら、あの時俺を拒んだはずだ。
あなたがベッドから降り、俺の手を握って...。
必死になって俺にお願いをしてきた。
あなたの瞳が潤んでいる。
...反則だろ。
俺は空いた手であなたの頭を撫でた。
あなたの顔が明るくなって、俺にありがとうと言うと俺に抱きついてきた。
突拍子がないことをされたな...。
しばらく俺は固まったままだった。
またあの笑顔...。
俺はいつもあなたの笑顔にドキッとする。
俺、まさか...。
あなたに恋、したのか...?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。