私が叫ぶ…いつものように
けれどもお父さんお母さんはやめてくれない
道具…私って…道具…だったの?
もう私…わかんないよ…
!……今日の夜…ここから出てやる…今まで勇気が出なくて出て行けなかったけど…もう…分かったよ?お父さん、お母さん、私…何したらいいか…
-----夜になり
よし…気づかれずに出てこれた…!
まだ…傷がズキズキする…すごく痛い。けど、歩かなきゃ…もう…ここに居たくない…!
-----結構家から離れた公園にて
痛いから、今は公園のベンチに座っている
そう囁いた時…
男性が私に声をかけてきた
こんな私に?
私は、この場を離れようとした
この人が危ない目にあう…そう思ったから…
なのに…なんで…腕を掴むの?
赤の他人なのに…傷だらけの…ただの“道具”なのに
この人なら信じてもいい…そう思った…
この人は…優しいから…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。