『炭治郎!!!!』
堕姫と距離を取った炭治郎の羽織の襟首を持ち、後ろにぶん投げる
『炭治郎!馬鹿!!息をしろ!!!!!』
堕姫「何…?アンタは後で喰べてあげるから、邪魔しないでよ」
『炭治郎!!!!!!!』
炭治郎「ッッ…?!!!!」
堕姫「さっきからゴチャゴチャと…
もういいわ、まとめて始末してやる!醜い糞餓鬼!!」
堕姫から十三本の帯が空を切る
──── 全てが遅い
私の心臓がドクドクと波打って、
襲いかかる帯を刀でいなし、炭治郎の真似のように帯を一纏めにした
一ヶ所にまとめた帯に、思い切り刀を突き立てる
『…(思ってたより硬い…でもいけないことはない)』
堕姫「それで止めたつもり!?弾き飛ばしてやる!!」
ビンッと張った帯を跳んでこちらに引っ張り、そのまま堕姫に向かって走り出す
『 碧の呼吸 弐の型 碧水舞 』
碧水を纏う刀が帯を切り刻んでいく
空に舞った帯の切れ端からは、碧水が滴っていた
堕姫との距離はここで充分なくらいだろうと踏んだ私は、走るのをやめ、
そうすると、私は肺いっぱいに大きく息を吸い込んで構える
『 碧の呼吸 漆の型 透明碧の嘘 』
ブン!!と音が鳴る位に空振りする刀
私はニヤリと口角を上げずにはいられなかった
堕姫「…?アンタ、何笑ってんの?
盛大に空振りしてるわ、よっ!??」
炭治郎「!???」
『いや~いつ使えるかとワクワクしてたんだよねえ、使えて良かったー!』
堕姫の頚が、ふわりと宙に浮く
重力に従って落ちる堕姫の首をに目をやると、視線が交わった
『うわ、その顔ひっどいね』
堕姫「~~~~~~~~~~~~~ッ!!!!」
落ちてく頚はそのまま瓦にキッスするかと思いきや、鈍い音をたてて蹴飛ばされた
…禰豆子ちゃんによって。
禰豆子「ヴーーーーーッ」
『禰豆子ちゃん…大丈夫、炭治郎は任せて』
禰豆子「ヴーーーーーッ」
私は口元に手を当てて咳き込む炭治郎の元へ進んだ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。