第22話

歩く騒音、我妻善逸
12,852
2020/02/03 08:19
蝶屋敷に着いて、先輩隊士に会うと私は物凄い勢いで土下座をかました
『ほんッッッとうにすいませんでした!!』
先輩①「…俺らも獪岳の陰口言ってたから…獪岳、本当に悪かった。めきめきと力を付けてく君に嫉妬したんだ」
獪岳「…大丈夫です」
先輩②「…俺もだ、悪かった」
獪岳「…いえ」
すると先輩①さんが手を差し伸べてくれた
先輩①「君、俺たちのことをボコボコにしたけど手加減してくれてたんだな」
『エッ…いや全然そんなつもりは無かったです』
先輩②「オイ、そこはそうですって言えよ」
『あはは、確かに! でももう陰口は良くないですよ!!』
先輩①「もうしないさ」
先輩②「お前に殴られないようにな」
『善処いたします!!』
その様子を影で見ていたのは、しのぶさん
しのぶ「(…やはり、美月子さんによく似てらっしゃる)」
先輩二人は手を振って任務へと去っていった
『頑張ってくださいね~~~!』
獪岳「…仲良くなれねぇって言ってただろ」
『あ~…できた!! まあ、反省してくれてたから!』
獪岳「…お日様みてえ」
『え?』
ぼそっと何か獪岳くんが呟いていた気がしたけど聞こえなかった
獪岳「何でもねぇ。…俺は任務があるから。今度甘味処連れてってやる」
『あ、え本当に?! やった! 有難う獪岳くん!』
獪岳くんも任務へ出て行った
『一人か~~』
オウム「あなた! あなた! 任務だヨ! 合同! 」
『まじ? 行くかぁ…』


オウくんに連れられて任務への道中、女の子の叫び声が聞こえた
『…ッまさかこの展開は』
その場所に行ってみて、ああ成程 と声が出た
鼓の屋敷編か、と。
取り敢えず女の子から善逸を引き剥がさなければと二人に近づく
女の子「キャーーーーッ」
善逸「結婚してくれよおォォォォォ!! 俺もう直ぐに死ぬんだよォォォォ!!」
『…善逸』
想像してたよりも更に、見苦しい光景であった
善逸は私に気が付いたのか はっ とした様子で女の子を離す
『流石に見苦しいわ、善逸』
女の子は私の方に逃げてくる
『すいません、私の連れです。さあ、絡まれる前に早く行ってくださいな』
女の子「有難う御座います!! 二度と私に近付かないで下さい!!」
女の子は善逸を一発叩いてパタパタと走り去っていった
それと同時に炭治郎が善逸の雀を連れて入れ替わりでやって来た
炭治郎「…あなた! 久しぶりだな…と、誰だ?」
『炭治郎! 久しぶり!』
善逸「えええええ?! 話したことあるよね?! 」
そう言って涙を流しながら私の腰に縋り付く
『…』
炭治郎「あなたから離れろ! あなたから凄く嫌な匂いがする!! それとお前みたいな奴は知人に存在しない、知らん!!」
炭治郎が善逸を引き剥がしてくれた
『炭治郎有難う!!…ブフッ』
善逸の顔があまりにも酷すぎて吹き出してしまった
善逸「えーーーーッ!! 会っただろうが会っただろうが!! お前の問題だよ 記憶力のさ!!」
『ンスッ』
まさかこのシーンに立ち会えるとは、面白すぎる ククッ
『あはは、ごめん善逸! でもさっきのは見てられなかった』
ひとしきり笑った後に真顔で言ってやれば善逸は うわぁぁぁぁあん と泣き出してしまった
『…めんどくせえなコイツ』
炭治郎「…」
善逸「なんで邪魔するんだ…」
炭治郎が心の底から なんだコイツ みたいな顔で善逸を見る
『アヒャッ』
アッ、腹ちぎれる、お腹がッ…ヒーーーッ!!
私がずっと笑っているのもお構い無しに善逸は叫ぶ
善逸「何なんだよその顔!!」
善逸「やめろーーーッ!! 何でそんな別の生き物見るような目で俺を見てんだ」
面白くなって私も炭治郎と同じ顔をする
善逸「あなたちゃんもだよ!! てかお前責任とれよ!! お前のせいで結婚できなかったんだから」
『いや炭治郎じゃなくて邪魔したの私なんだけど』
そう言うと善逸の顔がグルッと私の方に向いた
『(コッワ)』
炭治郎の方を見ればさっきよりワンアップした顔で善逸を眺める
『ンブフッッ』
善逸「何か喋れよ!!」
もうダメ、腸がちぎれる、
私は蹲って笑い転げた
善逸「俺はもうすぐ死ぬ!! 次の仕事でだ!! 俺はなもの凄く弱いんだぜ舐めるなよ! 俺が結婚できるまでお前は俺を守れよな」
『私が結婚してあげよっか?』
善逸「する!!」
『嘘だよ、無理だやっぱり』
善逸「うわぁぁぁぁあん」
『ブフッッ』
炭治郎「俺の名は竈門炭治郎だ!! 」
炭治郎は胸をドンッと叩いて言う
善逸「そうかい!! ごめんなさいね!! 俺は我妻善逸だよ、助けてくれよ炭治郎」
善逸は炭治郎の腰に縋り付く
『…(そう言えばこの任務は伊之助も居るんだった)』
伊之助…ッ!! あああ早くその美顔を拝ませて欲しい
『…(先に行くか)』
善逸は何やらまだ騒いで居るが、私は屋敷に一足先に向かった



善逸「イィヤァアアーーー!! いやぁあああ!! 助けてェーーーッ!!」
炭治郎「どうしたんだ大丈夫か?…ってあれっ??」
善逸「ヒィーーーッ ヒィーーーッ」(ブルブル
善逸「なになに?! 今度は何っ?!」
炭治郎「いや…あなたが居ないんだ」
善逸「エーーーッ?!!! あなたちゃん?! 何処行ったのあなたちゃーーーん!!」
炭治郎「…あなたは多分強いから大丈夫だろう! 任務に行こう」

プリ小説オーディオドラマ