第3話

出会い
21,863
2020/01/24 07:17
ゆらゆらと私の身体が揺れる
…??
確か…刺されて…ふわふわした所にいて…で、今
『ッ…??』
?「あら、起きた?」
薄らと目を開けると碧色がまず目に入る
『あっ、あの…ここは…?』
?「君、そこで倒れていたのよ。大丈夫?」
『エッそうなんですか…?!有難うございます!』
顔を上げると、整った顔の女性が私のことを抱き抱えて歩いていた
?「君、名前は?」
『私は碧元あなたと言います!』
?「あなたちゃんね…私は 碧湫美月子あおいぬまみつきこよ。気軽に名前で呼んで欲しいわ。あなたちゃん親は…?」
『…(なんて答えたらいいんだろう)』
私が目を背けると、あら、と声がした
美月子「そうなのね…じゃあ私の元に来るといいわ!」
『え、良いですよ、悪いです!!』
首を横に振る
美月子「駄目よ、他にあてがあるわけじゃないんでしょう?」
『そう、ですけど…』
美月子「じゃあ決まり!見たところ貴女は12歳ってところね」
美月子さんがそう言った瞬間、私は初めて違和感を覚えた
第一、少し背が低いのだ
エッてか待って美月子さん着物?!
いつの時代の人だよ…ってえ、嘘??
『あの!今の、年号はなんですか?!』
焦った様子の私に目を丸くした美月子さんは衝撃の言葉を口にした
美月子「え、大正よ…?どうしちゃったの?」
エッエッエッエッ
まさか…大正に転生してる~~~~~~~ッ!!
『エッえぇ』
驚きが隠せない様子の私に余計に心配になる美月子さん
美月子「あら…着いた、此処が私の家よ」
姫抱きから地面に降ろしてくれる美月子さん
…ンン?
姫抱きッ?!
12歳のこんなクソデブの私を?!こんな華奢な美月子さんが?!
『おおお、重かったですよね?!ごめんなさい!!』
美月子「え?全然軽かったわ、寧ろもっと食べなきゃ駄目でしょう」
むっとする美月子さん。可愛い。どうして。
『有難うございます…』
エッ待って…大正て…まさか…まさか…
だって、私、最期に鬼滅の世界行きたいとか言った気がする
ちょっと、え??
美月子さんは中へ案内してくれて二人向かい合ってお茶を啜る
いや準備はや
『あの…聞きたいことがあるんですけど』
美月子「何かしら?」
『…あのまさかこの時代って鬼なんか出ますか?』
恐る恐る聞いてみると美月子さんがお茶を落とした
『エッアッごめんなさい!!変なこと聞いて!!』
慌ててコップを拾おうと立ち上がる
美月子「いや…ええ…それなら話がはやいわ」
座って、と促され言われた通りに座る
…お茶、そのままでいいのか?
美月子「会って早々こんなこと言うのは気が引けるけど…あなたちゃんならきっと大丈夫ね」
『え?』
美月子さんは割れたコップを端に寄せ、こほんと咳払いをした
…いや、そのままにするのか?
と言いたいが真剣な感じなので黙るわ、私。
『なんでしょうか』
美月子「あなたちゃんに、私の後を継いで欲しいの」
…ンン?
『エット…何のです??』
美月子「あら、あなたちゃん…わかっているのではなくて?」
ちらりと私を見るその目は全てを見透かされているような瞳だった
『…ッ!鬼殺隊の事ですか?』
美月子「そうよ。私は元碧柱の碧湫美月子。今は引退して、育手をしているわ」
育手って…鱗滝さん的な?桑島先生的なね?
私が黙っていると美月子さんが口を開いた
美月子「来て早々本当に悪いけど…あなたちゃんにはこの山を下ってもらうわ」
ピリッとした空気が流れる
さっきの雰囲気とは打って変わって圧に押されそうになる
山を下ってもらうって…おお、あれだ、炭治郎がやってたやつだろう多分…多分
え??大丈夫かな?うち死なない??
鼻優れてないんですけど
美月子「着いてきて、あなたちゃん」


あの後、美月子さんが動きやすいようにと服を着替えさせてくれた
美月子「…この山を下ってね」
『が、頑張ります…』
美月子「…日が暮れるまでには戻っておいでよ」
そう言って美月子さんは一瞬のうちに私の目の前から消えた
『ッはえ??アッあれ!!居ない!!エッ!!』
ぽつんと山頂に取り残された私
とりあえずやるしかないんだ、と実感した
空手とか護身術は習ってたし…まあ、死んでもしょうがない!!
嫌だけど!!
腹を括ったわたしは、準備運動を始めた
にわとり
にわとり
アッ大丈夫??日本語になってる??大丈夫??
ちょっと時間軸自分でもよく分かんなくなりましたごめんなさい

でも、がんばるがんばる

プリ小説オーディオドラマ