第16話

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2020/01/30 07:30
急いで振り返ると炭治郎が木にぶつかって倒れ込んでいた


その衝撃で、狐の面が割れる
手鬼が炭治郎に向かって行く
『ッ』
炭治郎に向かって手を伸ばした手鬼の手を斬る
手鬼「なんだァ?」
『さっきから私空気なんだけど』
手鬼「お前を喰ってから狐小僧を喰ってやろう」
手を伸ばして来るが、遅い
『ちょっと炭治郎!いつまで寝てるの!起きて!』
無数に伸びてくる手を斬りながら炭治郎に声をかける
『アッやっべ!名前!言っちゃった!』
慌てて口に手を当てる
炭治郎「…ッ!!」
炭治郎は勢いよく起き上がると、直ぐに刀を握った
炭治郎「き、君は…!」
『やっほ!あの鬼に恨みがあるんでしょ?私が援助するから頚斬って!』
炭治郎「…ッ見ず知らずの君に…すまない!」
そう言って炭治郎は走り出した
『大丈夫大丈夫!手は任せといて』
炭治郎に続いて鬼に向かう
『( 碧の呼吸 弐の型 碧水舞 )』
鬼の手を流れるように斬る
炭治郎「(水の呼吸…!?でも、違う!なんの呼吸だ…?!)」
『行け!!』
手鬼「鱗滝!!!」
炭治郎は手に頭突きをして、壱の型で頚を斬った
ぼとりと鬼の頚が転がる
『(…悲しいのかな、)』
なんとなくそんな感じがして、鬼の頚に近寄る
炭治郎は鬼を心配するような目で見ていた
『…今度は幸せになってね』
鬼の頭をするりと撫でる
同時刻で炭治郎は鬼の手を握って額をこつんと当てた
炭治郎「神様、どうかこの人が今度生まれてくる時はお鬼になんてなりませんように」
すると鬼の目から涙が零れた
『君のお兄さんと会えるといいね!』
鬼に笑いかけて、額に流れる涙を拭ってあげた
鬼が崩れて無くなった後も、炭治郎は悲しそうに何処かを見ていた
『大丈夫?』
炭治郎に声をかける
炭治郎「あっうん…!君が手を斬ってくれたおかげで倒せた!有難う!俺は竈門炭治郎!君は?」
ニコッと笑う炭治郎、ハイ、可愛い。
『全然だよ! 私は 碧元あなた、よろしくね!』
炭治郎「あなたか…いい名前だな!なぁ、あなた」
『なに?』
炭治郎「…俺が木の下で倒れてた時、俺の名前を呼んだか?」
ぎくりとした
聞こえてたの…?!
『いや~~~呼んでないよ?なにしろ初対面じゃん!ね?』
慌てて弁解すると炭治郎は、そうだよな…と頭をかいた
『うんうん!…アッ』
何か忘れているな、と思ったら善逸忘れてた
『私もう行かなきゃ!じゃあまた七日後会おうね!』
炭治郎「えっ、あっうん!!お互い頑張ろうな!!」
手を振って、置いてった善逸を探した
『…何処にいんだよ!!はぁ…今日は寝るか』
日も登り始めていたので木の上で寝た


ぱちりと目を開ける
『…意外と木の上でも寝れるもんだな』
木から降りて辺りを散策する
『あ、川だ』
少し歩いて川に近づく
喉も乾いていたし、水を飲もう
手で掬って、一口飲んだ
『うわッ!!川の水美味し!!え?!飲料水しか飲んで来なかったけど、川の水美味し!!』
水を飲むといえばペットボトルのやつか、ウォーターサーバーから出てきた綺麗な水だったからなぁ
まさか、ここで日本の技術の発展を痛感するとは
『ふぅ、あと5日か…意外と長いな』
川の傍で腰を下ろして呟いた
善逸「アアアアアアアアアアアアアッ!!居た!!
あなたちゃん居た!!」
声のした方を見れば凄い速さで走ってくる善逸が居た
『善逸~~!死んでないね、良かった!』
善逸「死んでないね、良かった!じゃないよ!!なんで急に置いてくの?!俺弱いからすぐ死ぬよ?!ねえ!!聞いてる?!」
善逸は私の肩を掴んで前後に揺らす
『あぅあああ、ごめんて!でもまた会えたから結果オーライだよ、善逸!』
善逸「おー、ら???」
外来語!!
『ええ…大正不便だわ…終わりよければすべてよしなんだよこの世界』
善逸「えぇっ急にどうしちゃったの?!アッ俺と結婚する気になったんだね?!選別から帰ったら婚姻届書こうね?!!!」
『鼻息荒いって!!結婚はしない!!』
ふすふす鼻息を荒くする善逸の顔を押し退ける
善逸「ええっ?!なんで?!!!」
『なんで?!なんでって…う~~ん、なんでだろ』
考える素振りを見せると善逸はあの汚い高音を出し始めた
善逸「ア"ーーーーッ!!やだやだやだ死にたくない!!だから結婚してくれよォ!!」
『…私は推しがいるから』
そう言うと善逸は、えッ…?と声をあげて後ろに倒れた
『だからごめんね、善逸!!まあ嘘だけど』
その途端起き上がる善逸、チョロい、
だから引っかかるんだぞ!!


最終選別は、ほぼ善逸に付き纏われて幕を閉じた__


『は~~~ッ!終わった!てか善逸いつまで腰に縋り付くの!離れて!』
藤の花が咲く、最初の場所に着いた
善逸「はっあぁぁうあなたちゃんが居ないと死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ」
『大丈夫だってば!てか一日はぐれたけど生きてんじゃん!!』
五日目くらいに、眠過ぎてフラフラしてたら善逸とはぐれてしまったのだが、


その後直ぐに顔グッチャグチャな善逸に追いかけ回された
逆にそっちの方が疲れたよ、善逸くん
炭治郎「あなた!」
顔を上げると、ボロボロになった炭治郎が走ってきた
『おっ炭治郎!生きてたね!久しぶり!!』
炭治郎は涙ぐみながら善逸を無視して抱き着いてきた
炭治郎「良かった…生きてる…」
善逸「ぁぁああぁ?!ちょっと俺のあなたちゃんに何抱き着いてるの?!」
『あは、死なないから大丈夫だよ!よく頑張ったね、二人とも!』
腰にいる善逸と炭治郎の頭を撫でる
炭治郎「…うん」
善逸「!あああぁ撫でられてる…ッ幸せ…ッ」
『よしよしよしよし!』
すると、白髪の子と黒髪の子が出てきた
黒髪「お帰りなさいませ」
白髪「おめでとうございます、ご無事で何よりです」
二人を離して、前を向く
『(…終わったんだな)』
炭治郎の方を見れば頭を押さえていた
『炭治郎は悪くないよ』
ばっとこちらを見る炭治郎
炭治郎「で、でも…」
『大丈夫、炭治郎は悪くない』
炭治郎「そうか…」
『うん。…ちょっと善逸は落ち着こ??』
隣で死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ言っている善逸の背中を叩く
善逸「死ぬ、死ぬよあなたちゃん…」
『善逸、言霊って知ってる?あんまり言うと本当にいつか死ぬよ』
善逸「なんでそういうこというの?!」
炭治郎「追い討ち…」
『ごめんごめん』
周りを見渡せば すっごい顔した玄弥と、 蝶々と戯れているカナヲちゃんが居た
『眼福…』
白髪「まずは隊服を支給させていただきます。
体の寸法を測りその後は階級を刻ませていただきます」
そのあとはちょっとボケっとしてて聞いてなかったが、 気づいたら肩に白いオウムが居た
『鴉じゃないッ!!オウム!!』
オウム「ヤア、僕の名前、キメテ」
『急!!う~~~ん…オウちゃん』
オウム「オトコノコだけド」
『…オウくん』
オウム「イイネ!!」
満足したみたい
隣の善逸は雀に驚いていた
『(いよいよ、って感じだ…)』
するとバシッと音がした

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