第13話

世界で一人だけの貴女に
13,886
2020/01/29 11:27
目の前にあるのはほかほかの白いご飯に肉じゃが
肉じゃがはしのぶさんお手製の食べれるなんて!幸せ!
なほ「わ~~~ッ!このお味噌汁美味しいですね、さっぱりしてる!」
『むふ…』
しのぶ「あら…味噌汁はあなたさんが作ってくれましたよ」
すみ「美味しいです!」
きよ「ネギが薄く切られて入ってるの美味しい!」
『んへへ…有難う!何か今度洋菓子作ってあげるよ』
しのぶ「洋菓子ですか…たまには良いかもしれませんね!カナヲにも食べさせてあげたいです」
『カナヲちゃんにも会えたら嬉しいな~~~』
しのぶ「選別で会えますよ」
『確かに!』
すみ「あなたさん最終選別受けてなかったんですか?!」
すみちゃんが持っていたお味噌汁を置いて言った
『うん』
なほ「ええ!てっきりもう受けてたんだと思ってました」
私も!と声を上げるきよちゃん
『えへへ何か嬉しい~!有難う!私頑張る!』
箸を持つ手に力が入る
しのぶ「さあ意気込みはそこまでにしましょう!せっかくのお味噌汁も冷めてしまいますよ」
なほ・きよ・すみ「『は~~い』」
幸せだぁ!!この四人とご飯食べてるなんて!!
…ますます頑張らなきゃな!!
私は勢いよくお味噌汁を啜った

『あ~~~~~~~~~~~至福の時間』
なほ「そうですね!」
きよ「私もです!」
すみ「えへへへ」
しのぶ「いいですね…このゆったりとした時間も」
お風呂を上がって、寝る前のひととき。
縁側に寝転がって、満点の星空を見上げる
何個あるか分からないような星を一つ一つ眺める
『…いつもお疲れ様です、しのぶさんもなほちゃんもきよちゃんもすみちゃんも』
ぽつりと呟く
しのぶ「…何ですか藪から棒に」
『…よく考えれば蝶屋敷凄い大変だなって思って』
アオイちゃんは今日風邪引いてて少ししか話せなかった
『皆が元気でいれますように』
きらっと流れ星を見つけた気がしてお願い事をする
しのぶ「私達鬼殺隊は、身体を張るお仕事ですから」
『…私は自分の身体を大事にしないのは死にたがってるのと同然だと思っています。』
しん…とその場が静まる
知ってる、しのぶさんが身体に藤の毒を取り込んでいること。
『…誰かの為に身体を張るのは凄い事だし、その人にはそれ相応の覚悟があるって分かってますから』
だから、と言葉を続ける
『…しのぶさんはしのぶさんですからね!蔓延った物を忘れる事も息抜きだと思いますよ』
横を向くと、なほちゃん達三人がすやすやと寝息を立てて眠ってしまっていた
しのぶ「…寝ちゃいましたね」
『はい。布団まで運びますか?』
しのぶ「お願いします」
近くにいたきよちゃんを抱き寄せて布団まで運ぶ
しのぶさんはすみちゃんを運んで隣に寝かせた
なほちゃんを起こさないよう抱き寄せ、運ぶ
しのぶ「……わかっていらしたんですね」
しのぶさんが口を開いた
『はい…確かにカナエさんは素晴らしい人だった。憧れるのも凄くわかります。ですが』
しのぶ「……」
『自分を押し殺してしまうのは勿体ないなと思います!しのぶさん凄くハキハキしててアオイちゃんぽかったのに!まあ、こんなこと私が言う権利なんて無いですけど!…どっちのしのぶさんも好きですよ!』
するとしのぶさんはぽかんとしてすぐにクスッと笑った
しのぶ「ふふっ…貴女は本当に言ってくれますね」
『ご、ごめんなさい!』
しのぶ「いえ。いいんです…分かってますから…でも有難うございます、あなたさん」
ふわっと笑うしのぶさんは、まるで天使の様だった
『ッはい!!』
しのぶ「ふふ、あなたさん、なほ達が起きてしまうのでお静かにお願いします」
しのぶさんは唇に人差し指を当てた
『おっふ…』
二人で顔を見合わせて軽く笑った後、隣の布団で瞼を閉じた

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