第4話

それぞれの今
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2020/01/23 07:47
準備運動をして、走り出したまではいいんだけどね??
ウン想像したよ、炭治郎みたいな感じかなって
いざ来るとね?ビックリするよね?
あれ、駄目だ、善逸みたいな事言ってるわ私
何となく横から何かが来る気がしてすすっと下に屈むとナイフが飛んできた
『ひえ~~~!でも…あれ何で分かったんだ?勘か?冴えすぎんか?』
なんて言いながらしっかり来るもの出るもの避け続けてる私はチートなのかもしれない
いや…でも前世から運動神経よかったし…
『まあ、考えるのはやめとこう…ッと死ぬ死ぬ』
丸太が上から落ちてきたがスピードを上げ避ける
待って…此処何処??
これ走りながら独り言言ってるんだよ?
私相当キチってるよこれ
流石に息も切れてきている
『ッハアッ…此処…何処っ…アッ!!あれだ!彼処だ!』
木々が無くなっているということを考えていると山を下ったのだろうか
いざそこへ行ってみると、美月子さんがいた
『アッ美月子さん!アレ殺す気で居ますよね?死を感じた~』
美月子「…(速い…しかも怪我を一切していないとはね…あら、でも土煙が)」
美月子さんは此方に寄ってきて肩を軽く叩いた
美月子「やはりあなたちゃんには素質があるわ。ふふ…今日は鍋にしましょう」
ふわりと笑った美月子さんの周りには花が咲いているような気がした
『はい!(美しすぎん…?愈史郎になっちゃうよ私)』
美月子「…私に付いてきてくれる?追いついてね」
にこりと微笑んだ後、直ぐにシュッと居なくなった
『アッまた居ない!』
美月子さんが居そうな気がする方向へとりあえず全力でダッシュする
すると、美月子さんの背中が見えた
『ア~~ッ!居た!また置いてくんですか!』
…ってオイ!美月子さん足速すぎんか
一向に背中の大きさが変わらない
美月子「(付いてきてる・   ・   ・   ・   ・   ・…流石私が見込んだだけあるわ)」
もうヤケクソで追い掛けているといつの間にか家に着いてしまった
『ハアッハッ…速い…美月子さん速い…』
美月子「あら、あなたも速いわよ?」
『なっ、名前…!』
美月子「もうあなたは、私の継子も同然よ!これからは師範とお呼び」
『ッはい!師範!!(なんか実感が湧くなぁ)』
師範呼びとか友達とやりまくってたわ、懐かし(?)
美月子「ほら、手を洗っておいで」
『はい!あ、何処ですか?』
そこよ、と突き当たりを指差して教えてくれたので歩き始める
手が凄くマメだらけだ…
流石、といったところだろうか、いや、めちゃくちゃ凄いんだこの人は
そう考えただけで身体が震えた
『ッ!』
武者震いだと思う、多分。(多分)
…遂に来ちゃったよ、鬼滅、
友達は今どんな感じだろう…いやアイツなら知った瞬間笑ってそうだな
まあ、笑顔が1番なのだ、人間誰しも皆
蛇口を捻って冷たい水と一緒に不安な気持ちは流しておいた







¨







友達side
あなたと信号で別れて、家に帰った
手を洗って、ソファに座る
テレビを見て、アイス食べて、勉強して、
いつも通り、あなたと鬼滅の話に花を咲かせる


___そんな小さなウチの幸せが続くんだと思ってた
自分の部屋に入って、教科書を開いた
するとまるで、不幸を運んでくるかのように大きな足音が聞こえた
いつもは大人しい、控えめなウチのお母さん
とても、とても焦った様な_____
バタンッと大きな音を立てて、部屋のドアが開く
友達「そんなに急いでなしたの?お母さん」
すると、次の瞬間、信じられない言葉がお母さんの小さな口から出た

母「…ッあなたちゃん、さっき、亡くなったって…」
友達「…………は?」
思わず自分の声とは思えない声が出た
あなたが??
だってさっき、死ぬかもよ?!なんて言ったのにさ
友達「ははは、お母さんも冗談言えるようになったんだ、面白くないよ悪いけど」
母「いや…本当なの…さっき、近くのコンビニで立てこもりがあったらしくて…」
友達「…そこにあなたが居たって…?」
お母さんはボロボロ涙を零しながら言った
母「小さな子を、庇って、刺されたんですって…なんて…立派な…なんで…!」
顔を覆い座り込んでしまったお母さんの様子を見ると嘘では無いとわかった
友達「あなたらしい…ッなんで!なんであなたが死ななきゃダメなの?!やだよ、まだ12巻しか読んでないじゃん、今度は蜜璃ちゃんの髪型しようって…!!」
自分の目から滝のように涙が溢れ出た
お母さんが、よろよろとこっちに来て弱々しく抱き締めてくれた
友達「ウゥ…ッ…あなた…」
母「…辛いね、1番のお友達だったものね」
友達「ホントだよ…!!」


あなたの葬儀が終わった
ほんと、可愛い綺麗な顔立ちしやがって
隣にいたウチ恥ずかしいんだけど
友達「ホント、鬼滅の世界とかに転生してたら許さないからねあなた」
ぼそっと呟いた


『笑ってよ、ね、今めっちゃブスだよ』



あなたの声が聞こえた
友達「はは、やめてよ、泣きたくなるやん」
何故かあなたが隣で笑っている気がした____

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