第11話

Story10
184
2021/05/06 11:14
you side

エレベーターでリビングに向かう

ドアを開けるとフライドチキンのいい匂いがする
ジノ
ジノ
お腹すいたよー
ウソク
ウソク
あれ?

辛いソースどこだっけ?
ホンソク
ホンソク
それなら、引き出しの左の方にあるよ
ユウト
ユウト
全部にかけないでよ
ウソク
ウソク
わかってるって
ヨウォン
ヨウォン
あ、あなたさんはここね
ヨウォンが隣の椅子を叩く
(なまえ)
あなた
呼び捨てでいいって
ヨウォン
ヨウォン
わかった笑笑
イェナン
イェナン
じゃああなたの反対は僕がもーらいっ!
キノ
キノ
正面取った!
フイ
フイ
なに争奪戦してんの笑笑
ジノ
ジノ
飲み物、みんなある?
シノン
シノン
あ!

俺のコーラがない!
ホンソク
ホンソク
右手に持ってるのは?
シノン
シノン
あ、コーラだ
ジノ
ジノ
じゃあいただきます!
一斉にいただきますの声が響く

チキンを一口齧ると肉汁と辛味が口いっぱいに広がる
(なまえ)
あなた
美味しい笑笑
ホンソク
ホンソク
なんか懐かしいね笑笑
(なまえ)
あなた
何が?
ホンソク
ホンソク
ほら、よくあなたの家で映画見ながら食べたじゃん
(なまえ)
あなた
懐かしい笑笑

ホンソクびっくりしてチキン投げたやつでしょ?
ホンソク
ホンソク
そうそう笑笑

あの映画のタイトルなんだっけ?
(なまえ)
あなた
ウォームボディーズ
ホンソク
ホンソク
そう!

ゾンビの映画よね?
(なまえ)
あなた
うん、ゾンビと人間のラブストーリー
ホンソク
ホンソク
あれってラブストーリーだっけ?

ゾンビと人間の戦いじゃなかった?
(なまえ)
あなた
違うよ、ラブストーリーだよ

確かに戦うシーン多いけど一応ラブストーリーなの
ホンソク
ホンソク
今度また見ようよ
(なまえ)
あなた
そうね笑笑

今度は違った視点で見れるかも
キノ
キノ
その時は僕も見たい
イェナン
イェナン
ゾンビ怖いけど見たい
ヨウォン
ヨウォン
今度レンタルしてみんなで見ようよ
ユウト
ユウト
えー、怖いんでしょ?
(なまえ)
あなた
大丈夫だよ笑笑

そこまでかな
チキンを食べながらホンソクと映画観たことを思い出す

あれはテスト終わりの日だった

わたしは両親が出張でホンソクは家族に評定前だから友達と泊まり込みで練習すると嘘ついて家に泊まったっけ

帰り道に借りたDVD

新作のコーナーにありながら、ディスクは1枚だけで、端っこに置かれていた

3ヶ月前映画館でヒットした話題の作品の棚が横にあって、その作品は全て貸し出しされてて

その残された1枚が気になって借りた

ホンソク
ホンソク
話題のやつはやっぱりないねー
(なまえ)
あなた
これ、新作だって

試しに借りてみようよ
ホンソク
ホンソク
ウォームボディーズ?

ゾンビものね
(なまえ)
あなた
ホラーかもしれないけど、1人だと観ないからさ
ホンソク
ホンソク
確かに、2人で見るならいっか
(なまえ)
あなた
うん
家に着いて、テストの復習してたら、ホンソクはペンを握ったまま寝てた

冷たいソーダのコップを当てると驚いて起きた
ホンソク
ホンソク
ビザンツ帝国っ!
(なまえ)
あなた
なにそれ笑笑
ホンソク
ホンソク
今回のテストの範囲だったんだよ笑笑

夢で衛兵に追いかけられてた笑笑
(なまえ)
あなた
そろそろ、チキンでも頼んで映画でも見る?
ホンソク
ホンソク
そうだね、チキンが来るまでシャワーでも浴びよっか
(なまえ)
あなた
うん
スマホでチキンを頼み、順番にシャワーを浴びる

ホンソクは普段練習着にしてるトレーナーを着て、私はこんな日のために買った可愛いパジャマを着る

リビングでくつろぐホンソクの横に座る
ホンソク
ホンソク
なにそのパジャマ、可愛い
(なまえ)
あなた
ほんと?
ホンソク
ホンソク
うん、普段からそんなの着てるの?
(なまえ)
あなた
ううん、今日だけ

彼氏の前くらい可愛くいさせてよ
ホンソク
ホンソク
なにそれ、かわいいんだけど
ホンソクの顔が近づく

咄嗟に目を閉じるとタイミング悪くベルが鳴る
(なまえ)
あなた
あ、チキン取りに行ってくる
ホンソク
ホンソク
う、うん
顔が熱いのはシャワー浴びたばかりだと信じたい

チキンを食べながら映画を見る

初めは戦闘シーンが多い

お互いビビりながら見る

ゾンビが迫るシーンでホンソクはビックリして手に持ってたチキンを投げて画面に当たる
ホンソク
ホンソク
あっ!ごめん
(なまえ)
あなた
大丈夫笑笑
中盤になっても戦闘シーンが多くムードなどない

ふと肩に重さを感じる

横見ればホンソクが眠っていた

きっと練習で疲れていたんだろう

わたしはブランケットをかけ、ボリュームを下げ最後まで見た

終盤に近づくにつれラブストーリーになる

ああ、なんでここまで起きてないんだろう…

キスするなら今だったのかななんて思って片付けをしてそのまま眠りについた

あの時も今もタイミングが悪すぎる私たち

きっと次もみんなと見ても同じところで寝ちゃうんでしょ?

その時はあの時と同じようにわたしの肩にもたれて寝てくれるよね?

それとも私がもたれても振り払わないでいてくれる?

今食べてるチキンもあの時食べたチキンも同じ味のはずなのに

どうしてあの時より美味しく感じないの?

あの時は美味しかったの

けど今は胃もたれしそうなの

あの時は一緒に食べた人が美味しそうに食べてて愛おしく感じたからかな

今もあなたは愛おしいのにこのテーブルの距離が、いや、離れていた長い時間が美味しく感じなくさせてるのね

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