you side
目が覚めると柔らかいベッドの上で横にはジョンヒョンが眠っていた
私はよく見ると下着姿だった
ジョンヒョンもシャツを脱ぎ、ズボンしか着ていなかった
ジョンヒョンはシャツを羽織ると私にパーカーを渡してきた
そのパーカーに袖を通し、2人でベランダに並ぶ
タバコに火をつけ、煙を吸い込む
シャワー室に行き、シャワーを浴びる
シャワーが終わり、脱衣所に出ると新品の下着とバスローブがあった
とりあえずそれを着てリビングに行く
ジョンヒョンは私の手を引くと車に乗せて街中を走る
クローズの札がかかっているドアを開けると奥の個室に連れていかれる
見覚えのある美しい黒髪と長い手足の女性が仁王立ちしていた
そう、あの日喫煙所でタバコを吸っていた女性だった
そういうとジョンヒョンとお姉さんはお店を出て行った
私はその間、エステやスパで身体を仕上げる
あまりの心地よさに眠ってしまった
おでこを叩かれる感覚で目を覚ます
渡されたのは普段のスーツだった
ただスカートはやや短めだった
スーツに着替えるとメイク台に座らされる
そういうとお姉さんはメイクを施してくれた
ナチュラルだけど、どこか色っぽい
そんなメイクだった
鏡を見ると普段の私とは違う顔が写し出されていた
髪の毛もゆるく巻き、低めに纏める
おくれ毛もバランス良く出されていて上品だけどかしこまっていないスタイルだった
そういうとジョンヒョンは私の手を引き、車に乗せる
お姉さんも大きなメイクバックを持ち、車に乗り込む
車から降りて、エントリーブースに行く
背筋を伸ばし、まっすぐ歩く
そして控え室で待つ
控え室にいる女の子達はマネージャーらしき人がいてどこかの事務所の卵たちらしい
エントリーナンバーを呼ばれ、ランウェイを歩く
ねえ、見てる?
ホンソク、私、輝いてる?
もし、今も好きと言ったらその腕の中に包んでくれる?
離さないでくれる?
ずっとそばにいたいの、本当は
そう、思いながらランウェイを歩き、ポーズを決めた
ウォーキングが終わり、控え室に戻る
すると思い切り抱きしめられた
お姉さんに更衣室に押し込まれ着替える
紺の水着だからシンプルなものかと思ったら胸のラインにビジューが施され、ちょっぴり派手だった
目の形に合わせて引かれたアイラインは跳ね上げに、シャドウは濃いめに重ねスモキーアイに、ベージュのリップは深めの赤に変えた
再び背筋を伸ばし、ランウェイを歩く
真っ直ぐ前を見つめて歩く
観客席を見渡すとそこにはpentagonのみんながいた
ホンソクに目線を送り、ランウェイを後にする
控え室で審査結果を待つ
エントリーナンバー順に並びランウェイを歩きステージで並ぶ
気付けば私は王冠をつけていた
何も考えれなくて控え室に戻る
振り返るとそこにはホンソクがいた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。