肩を少し押してねぇねぇって話しかけたらやめてくれけどなんか少し不機嫌そう。
そ、そんな怒るかあ?ってびっくりしちゃって敬語になっちゃった。
舌打ちしてリビングのほう行っちゃった
え、ねえなんか怒りすぎじゃない?せっかく久しぶりに会ったのに…
なんでそんな怒ってるんだろう、私が途中で肩押して邪魔しちゃったから??
どうしよう…
自然と涙が出てくる
やっぱり私は涙脆い
少し経ってからそっとしといた方がいいのかな?って思ったけどやっぱちょっぴり寂しいから彼がいる部屋に向かった
まあ私の部屋なんだけどね…(笑)
いやいや、そんなこと考えてる暇ないよね、今はとにかくぶちゃんの機嫌を治さないと…!
ぶちゃんはソファーに座ってテレビを見ていた
それもバラエティー番組なのに超つまんなそうな顔で
ええぇ…ほんとに怒っちゃってるじゃん…
私は勇気を振り絞って言ってみた
反応がない
いまだに反応がない
もっと言うならこっちに目もくれない
肩を揺さぶりながら聞いてみる
体幹がほぼ無に近い私はバランスを崩して彼をソファーに押し倒す形になってしまった
ぶちゃんにギリッと睨まれた
起き上がろうとしたら腕を掴んでぐいっと引っ張ってきた
そして彼は少し口角を上げて私の方を見て言った。
バンって突き放された
あ、やばい。もしかしたら許してもらえなくなっちゃうかも。でも本当に誘ったわけじゃないんだけどな…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!