第3話

まふまふさんは体調が悪いようです③
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2020/01/08 02:16
まふまふ
まふまふ
ん…ぅ
目が覚めると、体のだるさは少し落ち着いていた。


けれど、それとはまた違う倦怠感が僕を襲った。 その正体も分からないまま体を起こした。
……そうだ、確かそらるさんが来て、僕を寝かせてくれたんだ……


あーあ、悪いことしちゃったな…
折角のお休みだったし、そらるさんに楽しんでもらいたかったんだけどな…
そういえば、そらるさんの姿が見えないな……


僕は自分が急に不安になるのを感じながら、ゆっくりと立ち上がった。
まふまふ
まふまふ
……っ!!
瞬時に襲って来る目眩で、倒れそうになるのを必死に堪える。

壁にもたれながら、そらるさんを探す。

……居ない

どこいっちゃったんだろ……

不安と怠さで泣きたくなるのをぐっと堪える。

不意に、カウンターの上の置き手紙に気づいた。





『まふまふへ』

まふまふ
まふまふ
そらるさんの字…だ
『まふが起きた時用に書いています。
具合はどう? 俺は、買い物に出ています。お粥を作ろうと思ったけど、あまりにも冷蔵庫の中がからっぽなので。
飲みものとかもついでにかってくる。
なるべく早く戻ります
そらる』
まふまふ
まふまふ
よかっ…た
たった1つのメモなのに、それだけで僕は自分の心が暖かくなったのが分かった。
しかし、
安心感からか、今まで堪えていたものが不意にせり上がってくる感覚を覚えた。
まふまふ
まふまふ
ゔっ…
ダメだ、きもちわるい

起きた時に感じた倦怠感の正体に気づいて、僕は重い体を引きずるようにしてトイレに入った。
まふまふ
まふまふ
うぁっ……は…やだ…っ!!
必死にえずくが、出てくるのは喉が焼けるような胃液だけ。
まふまふ
まふまふ
ゔっ…げほっげほっ
思わずむせ返る。そのせいでまた、吐き気が増した。

苦しい…体が重いし、痛い。

それでも吐き気は増すばかりで、吐くことも出来ない。
まふまふ
まふまふ
そ…ぁ…うさ…ん
涙が止まらなくて、
思わずそらるさんの名前を口にした。
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そらるside

…ヤバい。思ったより時間がかかってしまった。
お粥を作ろうと冷蔵庫を開けたら、これでもかというほど、何も入っていない。

あいつ、さてはちゃんと食べてないな。
……熱が下がったら説教だなこれは


そんな事を思いつつ、買い物を終えると、すぐにまふの家へ向かう。


一応、置き手紙はしといたがやっぱり心配だった。
今日2度目のまふの玄関を開けた時だった。
トイレから、苦しそうな声が聞こえた。

考えるより先に体が動いていた。

俺は、無意識に買い物袋を放り出して、
すぐに中に入った。
そらる
そらる
まふまふっっ!!!

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