気がつくとそこは、ベットの上だった。
…確か、ま………まふに…おんぶされて?!?!
…………………思い出さなければ良かった
とりあえず起きようと、頭を動かした時だった。
鈍い痛みを頭に感じ、思わず顔をしかめる。
足元に重みを感じてそっちを見ると、まふまふがうでを乗せて寝息をたてていた。
起こさないように、ゆっくりと自分のポケットに手を突っ込む。
スマホを引っ張り出して、電源をつける。
不意に明るい画面が現れ、それすらも頭痛の引き金になる。
さっきよりも酷くなった頭を抱えながら時間をみると、午後11時を回っていた。
相変わらず圏外だ。
ベッドから上半身を起こした途端、寒さと目眩に襲われる。
…思った以上にやばいかもしれない
不意に、胃から逆流するような感覚を覚える。
ヤバいっっ
俺はすぐさま立ち上がり、フラフラする足取りで廊下にでた。
くっっそ……
寒い… 身体が重い
思った以上に動かない体。
ふらついてしまい全然進まない…
咄嗟に口元に持っていった手もあまり意味無く、俺はその場でもどしてしまう。
辛くなり、生理的な涙が頬を伝っておちる。
もう……泣くなって…
そう思った時だった。
廊下の向こう側から見知った声が聞こえた。
なんだ…まだ寝てなかったのか
そんなことを思いつつ、天月が来た事に安心する。
なんて言いながら嫌な顔一つせず片付けしてくれる。
どうやら天月は今までずっと職員さんを手伝っていたようだった。
言われて始めて生理的な涙から感情的な涙に変わっていた事に気づく。
……あぁ、俺結構キツかったんだな
また込み上げてきた涙を、天月くんがぬぐってくれた時だった。
俺より泣きじゃくったまふまふが、後ろから抱きついてくる。
掠れた声で応えた俺を、まふまふは一層強く抱きしめる。
俺は本当に幸せだ。。
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…………その後、今度は天月におんぶされたのはまた別の話。
おまえら覚えてろよ?(^ω^)
Byそらる
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。