今日はすとぷりメンバーでレコーディングだった!
……完っっ全寝過ごした
マジでやばい
時間がない。
あぁぁあぁあぁああぁぁぁぁぁぁあぁあぁっ僕のバカーーーー!!
かくして、急いで家をとびだしたのだった。
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そう言って部屋に滑り込む。
直後飛んでくる鋭いツッコミをかわしつつ、部屋を見渡した。
咄嗟に言ったジェルくんの言葉に、なーくんが付け足す。
莉犬くん遅れるの珍しくない?
と思いつつ、皆の輪の中に入っていった。
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しばらくしてから、スタッフに紛れるようにして莉犬くんがきた。
そうしてレコーディングにむかった僕たちだった
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るぅとside
いつもの様に皆がくだらない会話をしながら歩いている中、僕は莉犬が気になってしょうがなかった。
普段なら、自分から会話に混ざるのに今日は皆から半歩下がった所でぼぅっとしながら歩いている。
………お か し い
しかも珍しく遅れてきたし、
……ふっふっふっ
僕の目は誤魔化せませんよ?
僕は莉犬の耳元で言った。
莉犬もコソコソ言い返してくる。
そう言って笑いかけてくる莉犬。
やっぱり!!
僕は満面の笑みを浮かべながら言った。
思いがけず素っ頓狂な声をあげる莉犬。
あくびをする僕を見て、莉犬が言った。
そんな話をしている間に、レコーディング室に着いた。
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大人組がスタッフさんと段取りを確認し、いつものように録音が始まる。
なーくんが滑るように歌い出して、空気が張り詰める。
ピリッとしながらも、自分の声を音楽に乗せて歌うこの瞬間が僕は大好きだった。
サビに差し掛かり、皆の声が重なる。
…次の莉犬のソロパート、僕大好きなんだよなー!
そんなことを思いながら、歌われるのを待つ。
…けれどそのパートは歌われることは無かった。
正確に言うと、歌えなかった。
音楽はどんどん過ぎていくのに、莉犬は黙ったまま俯いている。
ころちゃんがそういった時だった。
莉犬の身体が後ろにゆっくりと倒れていく。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!