壱馬side
なんで、さっき、泣いとったんのやろ。
そんな事が頭をよぎった。
そして、頭で考えるよりも先に、行動してしまった。
なんて、言うもんだから。俺としたことが口が滑って言っちゃった·····
遡ること3年前。
(事実とは異なることがあるかもですが、暖かい目で見て頂けたらな。と思います。)
それは、武者修行のとき。
元々、ランペには紗季以外にもう1人沙羅(さら)という女子がいた。
沙羅は紗季のことが気に食わなかったらしく、俺に紗季のあるわけのない嘘を言ってきた。
幼かった俺は、紗季と付き合っていたにも関わらず、そんな変な嘘を信じてしまった。
それでも、何故か2人は別れることはなかった。
そんな嘘は、やがて異なる事実だということが分かってきて、紗季の嘘をついていてその上紗季を虐めていた沙羅はグループがデビューする前に脱退。
そして、OnlyOneを初めて聞いた時。
俺らの武者修行のときのこと歌ってるみたいだね。っていうことから、何故か泣けてきたらしい。
だから、多分今回の泣いていた理由もそうなんだろう。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!