『ねぇ最近あなたさー、気になってる人いるでしょ?』
最近になって蘭ちゃんに言われるこの言葉。
でも、確かに気になってる人がいる。
それは…
あの日の放課後に見た人。
でも、実際は誰なのか分からない。
だから気になっている。
「うん、いるよ。」
今日初めていることを蘭ちゃんに伝えた。
『本当!?もしかして山田くん!?』
え、いやいや、何故そうなる?
「絶対にそれだけはない。」
だって蘭ちゃんは知ってるでしょ?
私がイケメン嫌いなこと。
あと、その理由も。
『じゃあ誰なの?』
まぁ、普通ならそうなるよね。
「それが…分からないの。」
『え?』
私はあの日に見た男の子の事を話した。
逆光だったけど、ズボンだったから男の子なのは間違いない。
『なるほどね。でも、クラスが分からないんじゃあ…。』
そう、私は男の子がいた教室が何処なのか分からない。
覚えていない。
『今日の放課後、全クラス回ってみる?』
「うん。」
そして私達は放課後をむかえた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。