第15話

15話
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2022/11/27 08:47
焦凍side

緑谷との2回戦。

俺の中に土足で無理矢理入ってくるこいつは、紫花とは正反対だ。

緑谷:君のっっ!!!個性じゃないか!!!

緑谷の言葉で、幼少期に言われたお母さんの言葉を思い出す。

『でも、、ヒーローになりたいんでしょ?』

『焦凍くんの手はあったかいね。夏はひんやりしてたのに、、ずっと握ってたくなっちゃうなぁ。』

焦凍:っ!!

なんで紫花の言葉まで、、

そのとき、俺の視界に水色の瞳が映った。



『昨日までは暑かったのに、今日は急に寒くなっちゃったね。まだ10月なのに、、』

『あぁ。だから、紫花も長い間外に出るのは控えた方が良い。俺もなるべく早く来るが、何時間もいたら風邪引いちまうから。』

『、、、焦凍くんは、出会った頃と変わらずずっと優しいね。』

『紫花にだけだ。』

『えっ、、そ、そう、、なの?////』

『あぁ。、、どうした、顔が赤いぞ。もしかしてもう熱でもあるんじゃ、、』

『カァァァ////しょ、焦凍くん、近い、、、!』

『っ!悪ぃ。』

『ぁ、、え、えっと、』

『俺があっためてやれば紫花は寒くならねぇよな?』

『うん、、?』

『俺は、、あんまり″左″の個性を使いたくねぇ。だが、紫花が凍えるくらいだったら、俺は迷わず使う。紫花は俺といる限り、絶対に凍えさせない。一緒にいれば、紫花は夏でも冬でも過ごしやすくなるだろ?』

『、、うん。でも、、焦凍くんの個性使わなくても、私は、、焦凍くんと触れられたら、ずっとあったかいよ。夏は、、暑くなっちゃうけどね。』



あのとき、紫花は少しはにかみながら笑っていたよな。

、、、あぁ、これは、、俺の幸せな記憶だ。

いや、幸せ「だった」記憶か。

緑谷との試合でこれを思い出す要素なんてどこにもねぇ。

ていうことは、

いるんだろ?紫花。

この会場のどこかで、、俺と緑谷の試合を、見てるんだろ?

意図してかどうかは知らねぇが、これは間違いなく紫花の個性だ。

なら、、



どんな手を使っても、、たとえ、憎い″左″を使っても、紫花の前で負ける訳にはいかねぇな。



その後、緑谷には″左″を使い勝ったものの、爆豪には使うことができず負けた。

あのときは、、緑谷のときは、紫花だけじゃなくて、緑谷の言葉に揺れた。

これから、親父とも、、お母さんとも、向き合えれば良い。

こういうとき、紫花ならなんて言うだろう。

紫花の性格からして、多分強くは言わない。

紫花は心配になるくらい俺を否定したことがないから、もしかしたら「頑張ったね」とか「それでもすごいよ」とかか?

あいつ、俺のことは否定しないくせに自分のことは否定的に考えちまう。

俺が紫花に初めて会ったとき『紫花を、優しく扱わないと、壊れてしまうような気』がしたのは、きっと、直感的に紫花の性格が読み取れたから。

相澤:皆お疲れ様。これでホームルームは終わりだ。各自大人しくすぐに帰れ。、、、おい、聞こえてんのか爆豪。お前に言ってる。

爆豪:あ″あ″?!

相澤:はぁぁ、、まだ雄英内に一般もいる。粗相のないように、絶対に声を荒げたり喧嘩したりすんなよ。

教室を出て、雄英を出て、雄英の立つ丘を下る。

下り終わり、駅へ向かう途中、先生の言っていた通り体育祭の観客だったと思われる人たちがちらほらといた。

結局、紫花を感じはしたものの、直接会ってない。

まぁ、もう帰っちまってる。

あいつは、、ヴィランだから。

それに、オールマイトとの約束がある。

『轟少年がこれから得た情報は必ず我々に開示すること。接触した場合はすぐに知らせ、できるならその場で拘束。』

いざ会ったときに、この約束を守れる自信が今はまだない。

だから、、、

紫花:、、、ぁ

焦凍:っ!!!

紫花:しょ、焦凍、、くん、



会っちまった。

作者
☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆です!!
今まで、1週間以内には投稿できるように、、と思っていましたが、2週間も経ってしまいました、、
申し訳ございません!!
しかし、私は受験真っ只中の中学3年生ですので、早くて1月下旬、遅くて2月中旬まではこのようなことが再度あるかもしれません。
そのときは温かい目で見てくださると嬉しいです。

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