第2話

菜々子ちゃん
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2018/11/24 14:42
「おねーちゃん学校いいの?」


菜々子ちゃんにそう聞かれる。

私はお気に入りの丘の上でゴロンと寝転がる


隣には菜々子ちゃんも居る。


「うん。いいの」

菜々子ちゃん会って初めての返答だった


「おねーちゃん、、、」


それが嬉しかったのか菜々子ちゃんは少し涙ぐんでいた。


きっと色んな人に話しかけたんだろう。
だけど、菜々子ちゃんが見える人なんてそうそう居ない。

彼女は孤独な思いをしたに違いない。



「さっきは無視したりしてごめんね。そのお人形さん。可愛いね」


私は菜々子ちゃんが手に持ってる熊の人形を見てそう言った。


「ふふっ!菜々子のお友達なの!」


そう満面の笑みで言った菜々子ちゃんは
熊の人形に頬をスリスリさせている。


あまりに可愛い菜々子ちゃんを抱きしめてしまいたい衝動に駆られたが 私はお化けに触れることが出来ない。


もし、触れてしまうと祖母の遺伝の影響で
触れられたお化けは強制成仏してしまい
生まれ変わりが、できなくなる。


その謎の現象は何故かお化け側には分かるみたいで、お化け達は話しかけてはくるものの
触れたり、近距離に迫ってきたりすることは
ない。


「菜々子ね寂しかったの」


突然、さっきとは打って変わってそう呟く菜々子ちゃん。

その目には 溢れんばかりの涙が溜まってた


「いろんな人に話しかけたいけど、誰も菜々子のこと見えないみたいで、、、」

「ママにもパパにも菜々子の言葉が聞こえなかった」


それはお化けであれば誰もが体験するであろう


「なのに、ママもパパもずっと泣いてた。菜々子のせいでママ達が悲しむのは嫌だよ…」


菜々子ちゃんから聞くと、菜々子ちゃんは
幼稚園の友達と遊ん出る時に事故で亡くなったらしい。


「ママもパパも大好きなのに…菜々子バイバイも言えなかったよぉぉ」


溢れんばかりだった涙は線を切ったかのように
次々と溢れ出た。

顔をクシャクシャにして泣きわめく菜々子ちゃんに私まで悲しくなってくる。


「菜々子ちゃんに1つ提案があるの」

「提案?」


私は少しでも菜々子ちゃんの思い残したことを
消してあげたいと。そう思った。

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