夏休みも終盤になって
夕方は涼しくなって過ごしやすくなった。
三年生最後の夏、高校生活最後の夏。
俺にとっては学生最後の夏。
そしてあなたと過ごす最後の夏になるなんて思ってもなかった。
その日、俺とあなたは星が綺麗に見える海に電車で日帰り旅行に行ったんだ。
夜になって真っ暗の中に満天の星が輝いてて本当に綺麗だった。
横で上を見上げてるあなたも負けないぐらい綺麗だった。
いきなりあなたが言ったんだ。
あなた「ねえ北人?」
北人「ん?」
あなた「実は私、高校の入学式の日の朝に北人に一目惚れしたんだ////」
北人「えっ!俺も笑笑」
あなた「えっ?食パンくわえて走ってる私に?笑笑」
北人「うん笑」
あなた「北人に告白された時はすごい嬉しかった。」
北人「あなたに返事もらった時嬉しかったよ。」
あなた「私ね、今も北人のことが大好きなんだよ?」
あなたは空を見上げながら
涙声でそう言ったんだ
なんて言っていいかわからずあなたを見てたら
あなた「今日で、私たち終わりにしよう。」
そう言いながらあなたは泣いてて
余計どうしたらいいのかわからなくて
俺は理由も聞けず「うん」としか言えなかったんだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!