第5話

(4)
357
2019/09/15 14:11


(何しててもカッコイイな…)




(西島くんのこと嫌いって人いるのかな…?)




『いないよね、きっと。 うん…いないいない』





自分にしか聞こえないような声で呟き、視線をデスクに移そうとした時。





────────パチッ






(あ……)






また、西島くんと目が合ってしまった。





ドキドキして慌ててしまう私。


けれど西島くんはそんな素振りなんてするわけもなく、フワッと優しく微笑んで見せては仕事を再開させた。





なんだか少し寂しい気持ちに包まれる。







後輩「あなた先輩、チェックお願いします」






『……』



(完全に私の片想いじゃん…)





後輩「先輩? 聞いてますか?」





『……』




(好きな人とかいるのかな…?)





後輩「あの! あなた先輩!」





『…っ! え?なに?!』





少し大きめの声でハッと我に返ると、書類を手に私の顔を覗き込んでいる後輩がいた。






後輩「ずっと呼んでたんですよ! しっかりして下さいよー」





『ごめんごめん。どうかした?』




後輩「これ、チェックお願いします」




と、渡された書類に目を通す。




『うん、これで大丈夫。あとはこっちでするから行って大丈夫だよ』





後輩「お願いします」





後輩が行ったのを確認し、軽く息を吐いてデスクに向き合った時。


何だか視線を感じ、そちらを見ると 私を見てニヤニヤしている実彩子と目が合った。





後で聞くからね。あの顔がそう言っているように見えた。






実彩子とデスクの距離が近いことが1番の難点だ。















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