?「おはよう」
笑顔で挨拶するこの人は西島隆弘。
私の好きな人。
?「おはよーさん」
爽やかなこの人は與真司郎。
実彩子の大好きな彼氏。
2人が女性社員たちに囲まれながらも上手に交わしてこちらへ向かってきて、目を離そうとした。
のだけれど。
(っ...!)
タイミング悪く西島くんと目が合ってしまった。
(しくじった...)
恥ずかしさのあまり、慌てて目をそらしてデスクへ目を向けた。
『学生じゃあるまいし...』
?「なにが?」
『え?!』
突然後ろから声がして、思いっきり振り向くとスーツ姿の西島くんが立っていた。
西「なにその顔。 おはようあなた」
『お、おはよう』
西「で、なにが学生じゃあるまいって?」
『な、なにもない! 早く自分のデスク行きなよ』
西「なんだよ。 朝から冷たい奴」
そう言いながら自分のデスクへ向かう西島くんの後ろ姿をじっと見つめていた――――。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。