第6話

(5)
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2019/09/16 14:15



それから仕事に没頭して数時間が経った。





ふと、腕時計を見ると


針が10時を差していた。








(さて…っと。 そろそろ行きますか)






この時間になると、決まってコーヒータイムをする私。





今日は砂糖多めで甘めにしようと思っている。






甘いコーヒーの味を想像しながら


ゆっくり椅子から立ち上がり、携帯とハンカチを持って給湯室へ直行。







『よし!誰もいない』







見事に今日は誰1人いない。まさに独り占め状態。









『なんて幸せなんだろう…』








そんなことを口にしながら紙コップを手にした時ーー









?「俺にもコーヒー入れて」











へ!?







突然の声に驚き、ビクッと肩が震える。




でもその声が誰なのかはすぐに分かった。








『西島くん… なんで…?』







壁にもたれかかってこちらを見ている西島くんはいつもよりカッコよく見える。






西「なんでって…。俺は来ちゃダメだった?」








『あ、いや!そうじゃないけど…』







西「けど、なに?」








そう言いながらどんどんこちらへ近づいてくるものだから、つい距離をとろうとしてしまう…。








『に、西島くん、この時間帯に来ないからびっくりしただけっていうか…』







西「あなたは毎回この時間に来るよな。なんで? あ、もしかしてサボり?」







『なっ! 違うよ!』







思いっきり否定ながら横を見ると




既に近くに来ていた西島くんと目が合う。












そして何故か、










西島くんから目が離せなくて2人の間で沈黙が流れる…。







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