第7話

101
2018/01/30 17:32

手作りして学校で渡すの?
正確な曜日はカレンダーを確認していないので分かりませんが、恐らくバレンタインデーは平日。
そうなると渡せる場所というものは自然と限られてきてしまいます。
あなた

学校で渡したいんだけどさ〜多分渡せる暇がないんだよね。


渡せる暇?
一日中学校にいれば休み時間でも昼休みでも渡す時間が一切ないということはないのでは……それとも校外授業など会う機会がないということでしょうか?
あなた

だって、バレンタインの日先輩一日中女子に囲まれてキャーキャー言われつつチョコレート渡されてるんだもん。

あなたちゃんの言葉を聞き思い出す。

そうでした……聖先輩はとても女の子たちに人気の存在ということを初めて彼女と会った日に聞きました。

その女の子たちと同じ時に渡したらいいんじゃないの?
あなた

いや!むりむり!!
そんな女の先輩たちもいる中でチョコレート渡すなんて……末代までの恥だよ!


んー、そうでしょうか?
あなた

とりあえずみんなの前で告白する勇気なんてない!

やはり、好きな人にチョコレートを渡したり、告白することがとても勇気がいることぐらい私にもわかります。

でも、その勇気を出せる人ってとてもカッコイイと思うんです。

失敗しても、振られても、私は『告白する』という勇気を持ったってことだけでほんとにかっこよくて尊敬できます。

彼女にはまだ少しだけバレンタインに抵抗があるのかもしれません。
思春期真っ只中で難しい事ばかりだと思います。

私は少しでも彼女の支えになりたいのです。

イライラして人に当たりたくなって、でもそんな自分が嫌になって、それでまた人に当たって傷つけて、そんな悪循環を起こしてしまうこの時期だからこそ彼女の少しでも頼ってもらえる存在でありたいのです。

まだもう少しは時間がある。
あなたちゃんが力を出せる場所を考えてみるといいよ。
あなた

よし!今からデパートに行ってスイーツ研究してくる!何作るかはそこで決める!


はは笑
なんとなく面白くてつい吹き出してしまいました笑

デパートで売っている既製品にヒントを得るってありそうで無かった新しい感じ笑

既製品はやはり少しレベルの高いものばかりのような気がしましたがその部分は彼女の豊富なチャレンジ精神で乗り越えられると信じて自分の中だけのお話にしました。

気を付けてね。
先週よりも少し大きく見える小さな背中を私は見送った。

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