強く握っていた手のひらをゆっくりあける。
そこには湿った大我のハンカチと
……ぐしゃぐしゃになった美術館のチケットがあった。
なんでこうやって大我と関わってしまうんだろう。
そういえば………
…私たち…仮のカップルなんだ……
乾いた涙にまた自分の涙が重なる。
もう大我だってそんなこと忘れてる。
しかも嫌いだって言われてる。
ふと美術館のチケットを見る。
「10月23日〜28日まで実施」
私の誕生日。
嫌われてたっていい。
寂しい誕生日にならないならそれでいい。
誕生日の日くらい仮の彼氏に甘えさせて。
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あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
突然ではございますが、
大我とあなたが仮のカップルという設定を
忘れていましたので
久しぶりにあなたに思い出させました。
しかも最初の頃、大我の性格にトゲがあったのに
なんか最近は穏やかな性格になってましたね。
作者も把握してない設定が他にもあるかもしれませんが
今年も『マスク依存症』を楽しみにしていてください。
投稿が遅れてしまい申し訳ございませんでした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。